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エコー3のtokyoflaneurのレビュー・感想・評価

エコー3(2022年製作のドラマ)
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シリーズ全体的にはよく出来ていて面白かったが、救いようが無いほど嫌な話。観て疲れるほど、抜くところが無い。

科学者のアンバー・チェスボロー(ジェシカ・アン・コリンズ)は、コロンビアとベネズエラの国境地帯でゲリラに誘拐される。アメリカ軍特殊部隊の精鋭である兄バンビ(ルーク・エヴァンス)と夫プリンス(ミキール・ハースマン)は、プリンスの影響力を使い、現地に入ってアンバーの行方を追う。

南米の政治的緊張感を背景にし、アメリカの利益を守るためにCIAが暗躍したり、自国のためにこの状況を利用しようとする現地のフィクサーがいたりと、ただアンバーを救いたいというバンビとプリンスの思惑よりも遥かな大ごとになっていく、まぁ大変なお話。

南米の情勢を知らないので、そもそもがまるで夢物語。とは言え、例えば中近東を舞台にしていたとしても、見慣れているだけで、そこは多分変わらない。

何が嫌な話、と言えば、バンビもプリンスもアンバーを救うためなら、幾らでも犠牲を払うところ。家族を守るためなら当たり前、と考えることも可能だが、犠牲は自分たちではなく、全て他人の命。自らの正義のためなら他人の命を顧みない、ある意味古い価値観。西部劇にもあったようなメンタリティ。

バンビとアンバーは南部の貧乏な家の出。しかもDVの被害者。それに対してプリンスは良いところのお坊ちゃん。この対比もなんか嫌らしい…。

シリーズとしては常に緊張感が漂い、非常によく出来ているが、あまり好きではない。
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