たき

杉咲花の撮休のたきのレビュー・感想・評価

杉咲花の撮休(2023年製作のドラマ)
4.0
かすみん以来の撮休シリーズ。
こういう日常の機微を演じさせたら右に出るものはいない杉咲花無双。
アルノが好きなのは声がこの杉咲花系統だからってのについ最近気づかされました。

撮休って、どういった効果を狙ったシチュなんですかね。
今回の一連のエピから、ざっくりと他者(ひいては社会)とのつながりとつきあい方がテーマのような感はありますが、お休みってことは、普段の生活から一歩距離を取らざるを得ないということで、それらを俯瞰して見ることができるんじゃないか、というところだったりするんでしょうか。知らんけど。

第1話。
まさかの上白石萌歌。
他者への期待と裏切り。その繰り返しが人生なのでしょうか。コメディタッチでありながらなかなか厭世的。
杉咲花はほんとにあんなシチュに陥るんじゃないかという説得力がある。演技ヲタっぽい。

第2話。
今泉監督といえば中田青渚ですよね。杉咲花と若葉竜也の共演もエモい。
世界の見方が違うだけで、この世は特別なことばかり。平凡なものなんてない。なんだか前向きなフレーズに使われがちですが、最後、同居人とのやり取りの中に平凡と凡庸を見つけてなんだかほっとするのはなんでなんだろう。なんでなんだろうったら。

第3話。
今泉脚本の真骨頂。ずっと聞いてたいやつだけど、ちと彼氏の態度がうざかった。普通にフラットに必要最低限それでもめいっぱいに気持ちと考えをぶつけてくる杉咲花がかわいい。

第4話。
一瞬木村文乃って中国語うまいんやなあ、やるなあ、とおもてしまた。ロン・モンロウ。すごい美人さん。
vsレッテル。アイデンティティ争奪戦ですな。ちと説明し過ぎな感はありますが。
杉咲花はあいかわらず美味そうにメシを喰らう。回鍋肉食いたくなってきた。

第5話。
まさかの橋本愛。
同棲してたのはいったいどっちだっけとだいぶ混乱した。ケーキのイラストの下にちゃんとHanaって書いてましたっけそういえば。
かつて選ばれなかった自分が鎌首をもたげてくる。その不安を自分とそっくりではあるけど決して自分ではない相手に吐露する。構造は大好物ですが、ぶっちゃけものがたりとしてはあんまりおもしろくない。

最終話。
まさかの芋生悠。なんだこの超絶美人な不動産屋さんは、とおもたら。あれ。こんな顔面だったっけ。
前回の続きだとは思ってなかったのでやっぱり混乱しました。
この世には変わらないものなんてなにひとつない。だから自分も必死のパッチで変わらなきゃいけない。追いつかなきゃいけない。赤の女王の有名なセリフが思い起こされる。
変わらないためには、変わらなきゃいけないという一見矛盾したロジック。今さらながらに好き。
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