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生まれ変わってもよろしくのsoopenのレビュー・感想・評価

生まれ変わってもよろしく(2023年製作のドラマ)
4.0
さすがスタジオドラゴン!
ありふれた転生ものではなかった。しかしこの陳腐なタイトルはどうなの?『生まれ変わってもよろしく』(漫画版はラストに♡付)というタイトルでは、視聴意欲をはっきり言って削ぎました。英語のタイトルが”See you in my 19th life”こちらの方が遥かに興味を惹かれる。え?何?19回目の人生って?となるはず。

見続けられたのは、ストーリー展開の悲劇性にも関わらず、何度も立ち直り、生きることに諦めずに人と関わり合い続けるヒロインに、思わずエールを送りたくなったから。シンヘソンの演技が、繊細さから大胆さまで幅広く、おまけに今まで以上に美しく儚げで、時代劇の衣装も似合っていて圧巻でした!

千年前から記憶を持ち続けて、19回目の転生で、ついに幸せになる決心をしたヒロイン(シンヘソン)が、18回目の人生で幼馴染だった男の子(アンボヒョン)を見つけて、とにかく迫りまくる。
ややこしいことに、17回目の人生(シンヘソンは男)で知り合いだった年の離れた女の子が、19回目の人生では50代のおばさんになっていて、家庭環境が破壊されていたヒロインの人生を救い、育ててくれる、という心温まる話。辛く短命な人生の全てを、何故忘れられないのか?それは記憶の蓄積が始まった、1回目の人生に起因する。その記憶を掘り起こせ、というミステリー仕立て。ヒーリーングストーリーでありながら、ミステリー、今時ロマンス、コメディ要素もありで、盛り沢山でした。

アンボヒョンは初めまして、でしたが、子供の頃の辛い交通事故のトラウマを引きずる、人を寄せ付けない繊細な男から、恋する男の一途さを一心に演じて、好感度大でした。でも何よりもシンヘソンとチャチョンファ(エギョン)の心温まる親子のような絆にホッコリさせられました。特にシンヘソンが小さな子供だった頃から、(17回目の人生では、チャチョンファが、姪っ子のような存在だった)、言葉遣いがエラそうで、叔父さん風を吹かせていて、見た目とのギャップに笑い。それをまともに優しく受け止めて、おじさん扱いするチャチョンファを見ていると、この2人は『哲仁王后』のケミが生きてるなぁ、と確信。
シンヘソンの18回目の人生で母親だった人との再会シーンにも涙…

ラストがちょっと中途半端に詰め込み過ぎたのは、原作がまだ終わっていないからなんでしょうか?
意味ありげな、半端ない存在感オーラを出しまくっていたイチェミン、彼のその後はどうなったのか?アンボヒョンの母は、なんのために出てきたのかなぁ?息子に対する愛情とか葛藤とか、もう少し内面を描いて欲しかったです。
それでも作品の良さは揺るがないですね。キャストありきで見始めたけれど、いつの間にか惹き込まれてしまいました。
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