なかなか新鮮な作品でした。面白かった〜
まずは何といってもレトロフューチャーな世界観が面白い。ドラえもんみたいだな〜と観ていたら、途中からどうやらシナリオも藤子不二雄 短編集のような空気感を醸し出してきて惹き込まれました。
大人なら大なり小なり抱える仕事や家族に対する欺瞞というテーマを「月への移住ビジネス」というSF装置を使ってかなり上手く扱っていたと思います。後半はそこに主人公の動機の源泉が少年のような夢が根底にあることもわかり、夢とその手段という葛藤がとても面白かったですね。
ただ、いかんせん特に中盤〜終盤の展開が渋すぎてどうなることかと思いましたが、最終話の締め方がまさに藤子不二雄 短編作品のような何とも言えない余韻を残してくれてめちゃくちゃ好きでした…。シーズン2が更新されるか微妙なところだと思いますが、これで終わっても良し、続いても良し、の見事な着地だったと思います。
主演のビリー・クラダップは私は大好きな役者さんで、AppleTV+ユーザーならザ・モーニングショーでお馴染みです。とはいえ、世間一般にはとても有名なスター俳優とはいえないので、本作はかなり静かな作風も相まって人にはお勧めしにくい作品かなというのが正直な印象でした。ただし、世界観とテーマはどちらもかなり新鮮で興味深いドラマでした！面白かったです。
