映画初心者

VIVANTの映画初心者のレビュー・感想・評価

VIVANT(2023年製作のドラマ)
2.9
1話~6話まで鑑賞。非常に稚拙な出来だったと思います。日本ドラマとは思えないほどの予算を感じさせ、豪華キャスト、派手。しかし、内容がつまらない、そして極めて右翼的。

リアリティラインがとても低い。B級映画レベルのリアリティを大予算でやっている。羊の群れに紛れて逃げたり、国境警備隊がいきなり戦車を発砲したり、国境を意図的にずらしたり。どうすれば危機を切り抜けれるかのギミック部分がトンチキ。これなら何でもありなんですよ。展開が多いほど面白い人もいるでしょうが、その展開が大味で雑。どうでもよくなってしまう。

美学の薄さ。予算が多い割に映画と比べてこだわりが薄い。構図、カッティングの微妙さ、早送り・スローモーション演出のダサさなど。砂漠シーンでいきなり早送りになったらチープに感じないでしょうか。予算が多いのに作り手のセンスを感じない。

製作陣がやりたいのはスターウォーズなんでしょう。父親と子の話。それを宇宙規模にやったのがスターウォーズ、アジア規模でやったのがvivant。衣装からキャラ造形までスターウォーズに似ている。また、アラビアのロレンス的、ミッションインポッシブル的、はたまた新参者、半沢直樹といったセルフオマージュも見られ、パッチワーク的に感じた。

非常に右翼的。日本を「にっぽん」呼びする時点でもうアレですが、日本人は美しい優しい人種であるという選民思想も混じり、ナショナリズムに傾倒している感じがします。また、自国の印象を上げるために他国を下げるのも印象が悪い。モンゴル側では意図的にホームレスを配置、一方で日本側はクリーンな場所しか映さない。モンゴル警察は杜撰で日本警察はしっかりと犯人を見つけようとする。悪意のあるモンゴル側と日本側の差で酷いと思いました。日本国旗を大々的に映すショットなど空虚な愛国心を感じるものでした。
映画初心者

映画初心者