ひば

キラー・ビーのひばのレビュー・感想・評価

キラー・ビー(2023年製作のドラマ)
4.0
とある歌手を神格化し、その取り巻きであるHIVEはネット自警団化している。有害なファンコミュニティの結束は女王を守るために、声がでかく過度な表現したもん勝ちの殺人予告と排斥主義であふれたSNSを徘徊し特定した後に……実際の話を参考にしたにしろ、偶像はセーフティにはならんという話だった。本人の手元から離れていくファンダムについてやる前にそもそもファン同士が招く不健全なコミュニティという描写がほとんどない個人の問題になってるのでそこは見たかったものが見れなかった残念はある(『ファンボーイズ』や『ギャラクシークエスト』などがブランドとファンコミュニティの話としてはすき) 自分は本人以上に彼女を理解しているんだという謎の優位性話あるあるとか見たかった。ドナルドグローヴァーについて良くない話を聞いたばかりだったのもあってあんまいい気分では見れなかった。ビリーアイリッシュが俳優デビューした作品らしいのですが、こういう役どころや偏見に対して不満はありつつも普通にいそうでどうやったらこの人から逃れられるのか考えたけど正直わからなかった。突然6話みたいな怖いつくりやめてくれ、最終話は頼む早く終わってくれと思い続け終わってよかったわたしの中では終わったんで大丈夫ですと片手あげてる。
"推し"って言葉を生きてる人間に使ってよいのかちょっと考えるようになって(なんとなく自分都合の存在の型にはめこんでいる気がしてくる)、相手と自分との境界線がわからなくならないよう自覚的に距離はとっといた方がいいかなと思っている。ブランドを介さず自分のなかで完結してるものになってしまうのが恐ろしくて。二次元にしろそれ作ってるのも生きてる人間だしね。"推し"から隔絶されたファンコミュニティでの相互監視システムが心を削ってるのは大きそう。SNSでつながるBTSファンのドキュメンタリー見た時ファンの公開性というか宣誓性がキツイなと感じたし自浄作用機能の指摘もされてた。良きファンは金をつぎ込まねばならないという同調圧力とか強迫観念とか。わたしはそういうグループというか属に入るのが息苦しくて、発言力のあるファンが支配する不健全な空間にはいたくないし協調性もないし、一人で壁打ちしてる方が心地良いので好き同士でつながりたいとかも思わないタイプ。"推しを推す"以外のストレスを抱えたくない。結局嗜む程度でいたい。映画という媒体はコアなファン層よりなんとなくで入って来れるようなライト層をターゲットにした集客仕様だからそういうとこが自分に合ってるのかも。流動性があって次々波にとびうつるイメージがあります
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