発達障害を抱える小説家の夫と、彼を支える妻の優しい世界。
『今、会いに行きます』の作者である市川拓司の実体験を基にしたストーリーだ。
ミムラと成宮寛貴が演じたドラマ版の「今、会いに行きます」が大好きだった。
登場人物のキャラクターだけでなく、その世界観と美術が美しすぎたから。
今回の物語の舞台である2人の自宅も、観葉植物が溢れた素敵な空間だ。
何と、あの空間は市川氏の自宅をかなり忠実に再現しているのだという。
調べてみたら、確かにデスク周りなどは本当にそっくりで、びっくりしてしまった。
うまく適応できない部分がある分、他の人よりもずっとずっと優れた部分がある。
発達障害と呼ばれる症状を持つ人の、特性を見た気がした。
人の悪意を感じると身動きできなくなってしまう。
そんな繊細過ぎる感覚を持つからこそ描ける、優しく美しい世界。
市川拓司の作品をもっと読んでみたくなった。
