みーちゃん

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士のみーちゃんのレビュー・感想・評価

3.9
前に「Coda コーダ あいのうた」という映画を観て、その時は感動した覚えがあるのに、あまり思い出せない。だから自分のレビューを再読したら、書いた内容も何だか薄っぺらくて(映画ではなく自分のレビューが)感動ポイントを思い出せない。

前置きはさておき。このドラマで心が動いたシーンはいくつかあるが、たとえストーリーを忘れたとしても、この感動ポイントは忘れない気がする。特に彼らが幼少期からヤングケアラーとなり得る側面や、当事者にしか分からない、言葉では説明できない、何とも複雑な感情に共感し号泣した。

それを「このドラマを観て初めて知りました」と言うにはあまりにも無責任な気がする。この境遇、この状況に想いを馳せたり、自分事として考えたり、少し想像力を働かせれば容易に気づくはずなのに、これまで見て見ない振りをしていたような気持ちになって、ショックだった。 

ドラマとしては、はっきり言って演出が特別巧いとは思わないから、ミステリー要素を加えることで興味を惹く見せ方になっているのは原作の力なのかな。

あと、何といっても草彅剛。私が彼の役者としての素晴らしさを初めて認識したのは劇場で観た高倉健の「あなたへ」。自分のレビューを再読したら、やはりそう書いてあったw
新作の碁盤斬りも機会があれば観たいと思う。

※これを機に2012年の「あなたへ」を再鑑賞したら、もっと評価されていいロードムービーだった。脇役では草彅剛(と大滝秀治)の存在感が断トツ。彼に比べると佐藤浩市も、たけしも、長塚京三も、大根に見える。