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下剋上球児のkinakoのレビュー・感想・評価

下剋上球児(2023年製作のドラマ)
4.0
南雲脩司(鈴木亮平)は、教師になる夢を捨てきれず32歳で大学に再入学し、高校教師になる。その後、あることをきっかけに、廃部寸前の越山高校野球部の顧問になり、生活が一変していく。廃部寸前から甲子園出場までを追う下剋上ストーリー。

今年最後のクールにかなり熱中できるドラマに出会えた。これまでの人生で、一度でも真剣にスポーツをやっていた人なら共感できる、むしろ共感しすぎて苦しくなるほどの青春ドラマ。高校3年間って長いようで短くて、その3年間で叶えられる夢よりも、叶えられない目標の方がもしかしたら多いのかもしれない。そしてその叶えられなかったものって大人になってからもずっと心のどこかに居座り続ける。だけどこのストーリーは、甲子園出場を果たすことが目標というより、甲子園出場までを繋いでいくことに重きを置いたストーリーで、過程をじっくり描いていたからこそグッとくるものが多かった。

どう考えても、南雲先生の教員免許事件で十分に指導してもらえなかったOBが可哀想すぎるじゃんね。だけどそこで腐らず廃れず、後輩に意志を繋いでいく姿勢があったから結果として目標に辿り着くことができたんだと思う。自分の出身校も似たところがあるから、OB陣にものすごい感情移入しちゃったし、毎話うるうるしながら観てました。

部活を続けるにも、それぞれの事情や悩みがあって、メンタル揺さぶるライバルがいて…それ以上に熱意を分かち合える仲間がいて…本当にかけがえのないあの頃の時間を思い出させてもらった。南雲先生もいい指導者で!楡くん(生田俊平)との対話シーンがかなり好きだった。

若手俳優たちのセレクションとか撮影の裏側を見ると、試合のクオリティの高さに納得。一人一人が魅力的で抜け出せなくなるいいドラマでした。個人的に、試合前には必ずSuperflyの曲聴いて士気上げてたから、主題歌にも感無量でした。志帆ちゃん最高です。
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