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たとえあなたを忘れてものautumnのレビュー・感想・評価

たとえあなたを忘れても(2023年製作のドラマ)
3.6
記憶

目に見えるものでもないし、でも無くなったらとても困るし悲しいもの
その人との思い出や積み重ねてきた時間を表してしまうものでもあるからこそ辛いもの

萩原利久さんは辛いや悲しいとかマイナスな感情が強い役をよく演じてられるイメージがあって、あの無の表情や父親との関係性を表す学生時代の表情がとても印象的だった。

でも今回のドラマの中で1番印象的だったのは岡田結実さん演じる沙菜と畑芽育さん演じる茜ちゃん。
沙菜は空と幼馴染で思いを寄せながら空の病気も受け入れ、自分に気持ちがないと分かりながらも懸命に寄り添って支えている存在。
いやーこんな辛い立場ないと思う。こんなにも人生をかけて空を支えて向き合って。なのに思いは報われない。
『今度生まれ変わる時は、空が私のこと、憶えてて欲しい』
ここが1番泣けた。このセリフに沙菜の今までと思いが込められてる気がした。

茜ちゃんは辛い過去を抱えながら記憶喪失をきっかけに過去と未来と向き合っている。
精神科医の保先生に思いを寄せてる姿もとても可愛かったしあの方言?も素敵だった。
あんなにストレートに思いをつたえられるってすごい。
そしてとにかく保先生報われてくれ!笑

精神病にかかってしまう人はもちろん大変なのは理解してるけど、その人を支える身内や親しい人にもちゃんと支えが必要なのと一定の距離感って必要だなと思った。
近すぎると自分も見失っちゃうしその人の人生がその人のものでなくなってしまう。
今回のドラマは病気に向き合う人本人だけじゃなくてその人の周りの人の気持ちや人生も描かれていて素敵だった。
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