とにかく高木さんと西片のやり取りのすべてが最高で、照れ隠しが積み重なり「尊さ」の局地まで達している。今泉力哉の空気を掴む演出力によって回を重ねるごとにふたりのいい意味で抑揚のない朴訥とした魅力の虜になってくる。
高木さんは見ようによってはファム・ファタール的な存在でもある。そんな彼女の沼にハマってしまった西片のからかい迷宮物語。「からかう」という言葉のニュアンスも心地よく、決して「いじめる」「バカにする」「イジる」「ちょっかいを出す」ではなく、「からかう」というふたりのスキンシップであり、コミュニケーションであり、確かに初恋であることを掬い取ってみせた。
