ブラックチェリープラム

お別れホスピタルのブラックチェリープラムのレビュー・感想・評価

お別れホスピタル(2024年製作のドラマ)
4.5
4話しかないけれど、濃密です。
一本の映画にして欲しいくらいに考えさせられる作品だった。

生の歓びを描いたドラマは多いし、何なら9割がたの作品は恋愛や成長を含め生きることへの讃歌と思うが、死と隣り合わせのこのドラマは人間がいかに終末を迎えるかを視聴者に問いかけている。

ひとは「死」があるから気がつくことってあるね。死んでいく人とその周囲の人々、つい一瞬前に元気だったひとが次の瞬間に息をしていない。それぞれに人生があり、若い頃にどんなことがあったのかさえ、灰燼に帰すように思える。

あなたはどんな風に死にたいのか、けれども、想像していたようには死ねませんよって厳しい視線で諭された気分。
いや、わかってますよ、
私だって肉親や友人を見送ってきて、つくづくそう思う。
世の中に幸せな死はない、ということ。みんな覚悟した方がいいのだ。

それでも。。。
「嘘とわかっていても、でも信じたい」
「ひとが最後に望むもの、それは希望」
どうか穏やかな気持ちを持つ続けることをしたい。何かの光を見つけ続けたい。
辛い。

追伸:原作もまだ続いているようなので、続編あるでしょう。重いけれど、苦しいけれど、絶対観ます。人間にとって一番考えなければならないことを正視するドラマだから。