おらおらせきタン

爆上戦隊ブンブンジャーのおらおらせきタンのネタバレレビュー・内容・結末

爆上戦隊ブンブンジャー(2024年製作のドラマ)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

1話の時点から「自分のハンドルは自分で握る」を貫き通し描き切った良作。どのキャラクターも「プロフェッショナル」として描かれることもあって、序盤はあまりコンフリクトがなく薄味にも感じる部分はあったが、中盤以降、常に冷静な大也が抱える過去の葛藤やかなり生々しい悪として描かれたハシリヤンなど、凄惨さは露骨に見せずとも子供に誤魔化すことなく現実の非情さに向き合う。もちろん、それは一朝一夕には解決しないもので、本作も悪の親玉を倒したり捕まえたとしても、根本的な原因自体は解決していない(だからこそ、彼らは敗れてもなお勝ち誇る訳だが)。それでも、一人一人の力は小さくとも、皆で他者を思いやりあうことが「悲鳴」をなくすための一歩なのだと描く。(ここ数年のフォーマットを破壊戦としてきた作品群とは異なり)戦隊のフォーマットにのっとりつつ、描くべきものを見事に描き切った。