はつみ

十角館の殺人のはつみのネタバレレビュー・内容・結末

十角館の殺人(2024年製作のドラマ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。
原作は、とんでもない名作らしく、日本のミステリー界に大きな影響を与えたり、”「新本格ミステリ」ムーヴメントの嚆矢”などと言われているようです。
この小説の一番の肝であるトリックが、どうやら実写化不可能と言われていままで実写化されてなかったのですが、今回晴れてフール―オリジナルで実写化されたので、どんなもんだろうかと思いドラマを見ました。丁度フール―入ってたしね。

とりあえず、1話みてびっくりするくらい面白くなくてどうしようかと思った。
いや、ネットのドラマの評価は悪くないから多分私が悪いんだろうな。
私が単純にミステリー向いてないのか、キャラクターが嫌いなのかわからないですけど、ミス研の面々、全員喋り方気持ち悪くないですか!?
演技演技してるというか、アニメだったらギリ許せるかなぐらいの探偵気取り喋りが鼻につく。涼宮ハルヒの消失を大人になった今みて、キョンの独白がめっちゃ気持ち悪く感じるのと同じ感覚でした。
だから、本土側の江南くん(何回見てもカンナムって読んじゃう)と島田さんとのバディのがまだましだった。
全体的に、事件のための要素でしか物語が進まない感じがしてドラマとしての面白み、吸引力が事件の真相と犯人しかないのが、個人的にはきつかったかな。
ミステリー向いてない。

だから、1話見た時点でかなり2話以降見るのが重かったです。
ただ、なんとかその衝撃のトリックはなんとか見たいと思い、つまらない1~4話見ました。
そして、4話のラストで明らかになる。

衝撃の1行とも言われている実写化不可能と言われていたトリックは、ドラマはうまいことちゃんと再現(?)されててうまいと思いました。
実際私は気づかなかったし「なるほど!」ってなったし。
犯人であるヴァンくんが実は本土と島とを行き来していましたっていうトリック。小説ではミス研のあだ名と本名をうまいこと利用して、読者に二人は別の人間でそれぞれが本土と島にずっといると主混ませていたんだろうなとわかった。
ドラマだとキャストが同じなので、前髪とか眼鏡で雰囲気をうまく変えて、島ではあまり顔の印象は残らないようにうまいこと演出していたと思う。
ミス研面々がみんなキャストが微妙だったり知名度が低かったりしたのもこのためだし、ドラマのエンディング(スタッフロール)はこの4話まではなかったはず。
ただ、やっぱりドラマだとその小説のトリックを実写でどうにか成立させるためだけの見た目の変化でしかないので、それはちょっと惜しい。やはりそういう意味でも小説媒体が最強。

5話は完全にネタばらしパート。
ヴァンくん、本土と島をゴムボードで何回も行ったり来たりしてるのシュールで面白い。しかも、体調悪く見せるために、水飲まないようにしてるから体調面でも辛そうでよりシュール。
江南君たちの前で普通にふるまってたけど、あの時めっちゃ水飲みたかったんだ、とか考えるとめちゃくちゃ面白い。
結局殺人の動機が、隠れて付き合ってた恋人の千織を殺したミス研のやつらに復讐という、なんかめっちゃダサいなと思ってしまった。
結局色恋沙汰かよ、と。
それで、ここまで大がかり+大勢を殺しちゃうのか~。

ラストはヴァンくんは結局どうなったのか分からなかった。
真実の書いた紙の入った瓶を子供に渡して、その子供が島田達に渡してたから捕まったのかな。
だとしたら、瓶見つかるの運良すぎる。
なんかもやっとしました。

正直、小説読んでる人より、未読の人の方がおすすめだと思う。
はつみ

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