慶余年と同じ制作会社で主演もチャン・ルオユンの時代劇
とは、言っても慶余年を見てからずいぶん経つので…主演が彼だと正直印象が似通ってきてしまう。飄々としていて現代的な雰囲気をまとう主人公は、彼自身の持ち味なのか演技なのか実はよく分からない。でもそこが等身大の現代っ子っぽくて良いのだとは思ってる。
物語は主人公の成長譚であり、英雄譚の第一章でもある。
北椋を治める父はその座を息子に譲りたいが朝廷は世襲を認めたがらない。北椋を継ぎたくないと思っていた主人公だが、政略結婚を逃れるために遊歴の旅を共にした馬方の黄さんの影響で自分なりの方法で周囲の人も民も国も救っていけるようになりたいと願うようになる。
世子として常に暗殺の対象となるため、あえて武術の会得を避けてきた主人公だが、黄さんが旅すがらいつも口にしていた武術を身に付けた方が良いという助言が遺言となってしまったときにその言葉ときちんと向き合うようになっていく。そして北椋を継ぐべく新たな試練に立ち向かう旅へと再び国を後にする。
登場人物は多いがそれぞれに魅力的。美しい侍女に囲まれ好色に見せているが実は一途な男であるところも魅力なのかもしれぬがそれは特に良いとは思わない。幼い頃に死別した母親の死を乗り越えられていないと自覚的なところは好感が持てる。彼を通して母を知っていくという物語の過程も、ひとりを描きながらその向こう側に魅力的なヒロインのエピソードゼロの物語が確かに存在していることが感じられて好きな語り方、それは慶余年でも同じように感じたことだけれど。
シーズン2の放送は慶余年ほど待たせないでもらいたいなぁ。忘れちゃうから。中国ドラマはたいてい復習視聴するには長過ぎるのが難点。たとえ面白くてもね。