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THE PENGUINーザ・ペンギンーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

THE PENGUINーザ・ペンギンー(2024年製作のドラマ)
4.0
#1
街を牛耳るセコい野心の塊は混ぜるともっとうまい!地に足のついた犯罪サーガの幕開け

ユーアーエルラタアラータ…URL!その後もノリノリな怪演コリン・ファレル劇場。やっぱり顔がコリン・ファレルと思ってもコリン・ファレルに見えないけど、たまにコリン・ファレル出てくる感じ。VS 弟の居場所を知ってる?アーカム帰りの"ハングマン"ソフィア・ファルコーネ役クリスティン・ミリオティがシーンを奪う(狂犬はたまた危険分子か??)!!
順当に子分のビクター(=この世界への水先案内人・視点人物的)もGET。どう生きたいのか今こそ考えるとき、せこい商売でちまちまと稼いでその日暮らしか野心を持つか。弱虫なの?『ザ・ソプラノズ』やスコセッシ映画見ているような強烈ママ。
バットマンは街を見下ろすが、ペンギンは街を見上げる。相変わらず洗濯物は漏れなくカビってしまいそうなジメジメとした陰鬱な街でダーティにもグリッティにも転びそうなズルく立ち回るキャラクターを掘り下げだして、既に主人公としての魅力を感じ始めているペンギン、否、オズ・コブ(がペンギンになるまで?)の確かな共感性。
この面白さ、誰かに話したら、ぶった切ってやる。俺のことをバカにしたから撃っちまった。もう少しで望むものが手に入る、この街はお前のもの。ただの身代わりにはならない。現場は俺のもの、復讐は楽じゃない。
リドラーのテロ犯行による甚大な被害その余波、貧困街が割りを食う残酷な世界の現実は、クレイジージャーニーで(丸山ゴンザレスとかが)行きそうな感じもある。

Now we are untamed. 野生児
PAYBACK

#2
古参老害共を駆逐して一緒にハッピーになろう

輸送車襲撃から始まる本話数も手に汗握る展開で大いに楽しませてくれる。今回もピンチをチャンスに、ペンギン本当にやりおるな〜と感心してしまう悪知恵・機転の効き方にしぶとさ。コリン・ファレルvsクリスティン・ミリオティからコリン・ファレル&クリスティン・ミリオティへ?
バリー・コーガンくん演じるジョーカーのカメオ出演くらいなチラ見せにも期待してしてしまうけど、やっぱり映画本編続編でコッチには出ないかな〜。

♪Happy Together

#3
街を赤く染める

真面目に働いて、貧しく死んでも賞は出ない…視点人物であるビクターの悲しい過去のトラウマを描く、素晴らしいオープニングシークエンスから一気に引き込まれる。
人質の気持ちか?オズとビクターの間に、共に修羅場を越えてきたことで、少しずつ絆というか信頼関係というか不思議なつながりができつつあるのを感じさせる回。レストランでメニューを読む際に、ビクターの吃音に対するオズの行動が良かった。けど、2人の抜き差しならない関係は、決して楽観視して見ていられるものでないことも無論感じさせる(例えば本シーズンじゃなくてもいつかオズにビクターが消されるとかも…?)。彼は自ら選択することでその深度をより深める。
笑い者とかバカにされるのが耐えられないオズと、アーカムのトラウマとそれによる周囲の目に耐えられないソフィア。こちらの2人の関係からも目が離せない緊張感と、たまに鬼に金棒感も?

トラウマは売れる

#4
狂っているのはこの世の中…
だから、心機一転やり直す

圧巻のクリスティン・ミリオティ劇場!なぜアーカムに入れられ、"ハングマン"と呼ばれるようになったのか?…そのつらく苦しい過去が明らかになるソフィア回。ちゃんとその前は全く別人みたいに見える。けど、そこからノリノリに場をかっさらっていく圧倒的存在感が、キャラクターに奥行きをもたらせる、すさまじく目が離せない。目ん玉飛び出そうなほど!そして、まだこのショーは始まったところだ!!

#5
ファルコーネはもう存在しない同盟

vs ジメジメしたゴッサムらしい原点回帰"灯台下暗し"なキノコ栽培!これはまた展開・図式変わってきて面白くなってきた(きそう)〜!! 厄介な者同士で手を組んだ目下最強に厄介な同盟相手にどう立ち向かうのか見どころだ。

#6
俺たちは食い物にされてる!奴らは上ばかり見て下を見ない

絶賛拡販中!俺たちみんな"建設業者"、俺たちが地域を支えている…地下ドラッグ(ブリス)工場か地域の宣伝PVみたい始まり方、格好いい!タワー街の仮住まいから狼煙を上げて。一方で対するは、サルとソフィアからの警告。タージの言う通り、オズと手を組めば損失が大きい痛手と見せしめ。ソフィアの髪型チェンジと振り切ったキャラクターで、"ハングマン"らしくなってきた!…オズがそこで思いついた打開策とは?
実力を示したいイーストエンドの貧乏なガキ、皆と同じさ。街を見ろ、電気がついてる。クラウン・ポイントじゃみんな凍えてる。オズとの関係は一面的じゃない白か黒じゃない持ちつ持たれつ、誰にでもスネに傷がある。よくやった危険分子の始末、ビクターの初仕事!段々、楽になる。どこまで本心かはさておき市井の味方、現場を知っている裏社会・暗黒街の叩き上げワーキングクラスヒーローってところか。口達者に乗り切っては、ゴッサムを取り返す!

#7
ママを独り占め…

イカれたアバンパート!そして、それが話数終盤にも生きてくるとい構成。オズの闇の深いイカれたバックグラウンドを掘り下げ、更に理解が深まる回で、抗争も本格的に激化していく様相を呈すクライマックスに向けてヒートアップ!! 絶体絶命、はたまた…?

#8
怪物に弱点は要らないオズ版"ゴッドファーザー"

"大衆のヒーロー"?オズvsソフィア最終局面!貧しい生まれの anybody から、ひとかどの人間 somebody になるチャンスを逃さない。『ゴッドファーザー』伝説のクロスカッティングを彷彿とさせる暗殺シーン(時を超えてもその偉大なる影響力の大きさを感じさせる!)。
お母さんは初めからわかっていた、あなたが怪物だと。そして、怪物の今後の展望見通しに弱点は要らない。築いてきた絆や信頼は重荷でしかなくなるから。なんともオズらしい締めくくりフィナーレで、次シーズンが楽しみになる終わり方。ということで『ゴッドファーザーPART II』も?
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