ゆう

Nのためにのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

Nのために(2014年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

タワマンに住む会社員とその妻が殺害された事件に繋がる様々な人々の人生の話。ミステリーの一番面白いところは動機にあると思う。動機には、人生のしんどさや、誰かへの愛や憎しみが詰まっている。
西崎が奈央子の罪を被った動機がちょっと甘い気もする。共依存の野口夫婦に巻き込まれた末のアレだからな。奈央子に操られた西崎はむしろ被害者。とはいえ、西崎は奈央子に母を重ねていて。母のしがらみから精神的に自由になるために必要な行為だったとも言える。
罪の共有が究極の愛というテーマは「白夜行」ではもっと暗くハッキリ描かれていたけど、「Nのために」では安藤望という対局の存在が登場する。西崎に「罪の共有なんかじゃなくて、明るい場所へ連れ出してくれる」と評された通り、彼は希美に前向きに生きる強さを教えて明るい場所へと導いていく。最終的に彼が選ばれることはなかったけど、野口に将棋の手を教えている時に希美が守ろうとしたのは安藤の未来だった。ここは、なかなかの胸アツ展開。
最終的に、DV夫にガチガチな共依存イネーブラー妻が希美と夫の浮気を疑った結果起きたというのが事件の顛末だったわけだけど、成瀬と希美みたいな暗い絆が結局好きなんですよね。
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