深夜までプロットを練っていた新人漫画家・白柚可（はく・ゆうか）の耳に、どこからか不思議な声が。気がつくと彼女は、自分が描いた漫画の中に入り込んでいた。謎の声は柚可に、現実世界へ戻るためのミッションを伝え…。

婚儀を挙げたばかりだというのに、いきなり出戻り？白柚可（はく・ゆうか）は、私が描いた漫画とは設定が違うと焦るのだった。睿（えい）王府をあとにした白柚可は、侍女の緑蘿（りょくら）を従えて、なぜか妓楼へ…。

睿（えい）王の妃選びに立候補し、再び睿王府に乗り込んだ白柚可（はく・ゆうか）は、「刺客から守った貸しを返してくださいね」と許澤羽（きょ・たくう）に迫る。そんななか、彼女に強力なライバルが出現し…。

喬双双（きょう・そうそう）だけでなく、白柚可（はく・ゆうか）も許澤羽（きょ・たくう）の妃候補に選ばれた。この発表に慌てた許澤霖（きょ・たくりん）は、「柚可殿の相手は、この私だ」と声を上げるが…。

許澤羽（きょ・たくう）の看病をしているうちに、白柚可（はく・ゆうか）は眠ってしまった。一方、目を覚ました許澤羽の心の中では、柚可が国防図を狙って自分に近づいたのではないかとの疑いが、徐々に薄れ…。

黒衣の侵入者に気がついたものの、眠ったふりをして相手の狙いを見極めようとする許澤羽（きょ・たくう）。しかし、そこに白柚可（はく・ゆうか）が。何も知らず睿（えい）王に語り掛ける彼女に、危機が迫り…。

許澤羽（きょ・たくう）は、白柚可（はく・ゆうか）に誘われて、灯籠祭でにぎわう夜の街へ出かけた。見物を楽しむ２人の前に、黒ずくめの刺客たちが。我が身を盾にして、彼らの剣から澤羽を守ったのは…。

見舞いに訪れた許澤羽（きょ・たくう）の姿を目にした喬双双（きょう・そうそう）は千載一遇の好機と考え、彼との距離を縮めようと画策する。しかし、そこに現れた白柚可（はく・ゆうか）が彼女の世話を買って出て…。

自分が狙われた理由は国防図にある――。ある夜、図面を手にした許澤羽（きょ・たくう）は、白柚可（はく・ゆうか）と喬双双（きょう・そうそう）を前に、そう切り出した。すると突然、部屋の明かりが消え…。

白柚可（はく・ゆうか）投獄の知らせに怒り心頭の許澤霖（きょ・たくりん）は、彼女を救い出すために策を講じる。一方牢内では、はりつけにされた柚可を許澤羽（きょ・たくう）が鞭で打ちながら尋問を…？

白柚可（はく・ゆうか）は牢から出られたものの、許澤羽（きょ・たくう）と澤霖（たくりん）の対立は決定的に。そんななか澤羽は、柚可のうわ言から彼女の本心を知る。だが、彼はもう１つ不可解な事実に気づき…。

“寝返って、黒幕の正体を明かすのよ”――白柚可（はく・ゆうか）は喬双双（きょう・そうそう）を説き伏せようとするが、彼女は聞く耳を持たない。柚可に刀を突きつけた双双だったが、なぜか突然苦しみだし…。

姿を消した白柚可（はく・ゆうか）を必死で捜す許澤羽（きょ・たくう）と阿肆（あし）。その頃、柚可は深手を負った喬双双（きょう・そうそう）の看病をしていた。柚可の真心に触れた双双は、あることを語り始め…。

奇妙な症状に苦しめられ、息も絶え絶えの許澤羽（きょ・たくう）。「今キスをすれば、元の世界へ戻れる？」――白柚可（はく・ゆうか）の脳裏をそんな考えがかすめた時、謎の声が彼女に非情な事実を告げた…。

睿（えい）王府を出た白柚可（はく・ゆうか）は、黒衣の一団に捕らわれてしまった。黒幕の目的は、彼女と国防図を交換すること。その狙いを知った柚可は“許澤羽（きょ・たくう）、絶対に来ないで”と念じるが…。

白柚可（はく・ゆうか）の心変わりの理由も分からず、煩悶する許澤羽（きょ・たくう）。ある夜、街へ出た彼は仲睦まじい様子で歩く許澤霖（きょ・たくりん）と柚可に出くわす。そこで柚可が口にした言葉とは…。

「いつまで柚可（ゆうか）の心に居座る気だ？」。彼女の本心を知った許澤霖（きょ・たくりん）の心は乱れ、澤羽（たくう）を平手打ちしただけでは収まらなかった。澤羽の死を望み始めた彼に、手を貸すと近づいたのは…。

国防図を失った罪で、許澤羽（きょ・たくう）は投獄された。「女子（おなご）の行く場所ではない」という許澤霖（きょ・たくりん）の言葉も聞かず、牢へ向かった白柚可（はく・ゆうか）は、澤羽に鞭を振るい…。

仮面の男の正体は――。喬双双（きょう・そうそう）が告げた人物の名前と見事なまでの詐術の手際に、驚くばかりの白柚可（はく・ゆうか）。彼女は双双と手を取り合って、睿（えい）王救出のために動き出し...。

「あなたも偽者なの？」。喬双双（きょう・そうそう）に尋ねられた白柚可（はく・ゆうか）は意を決し、自らの身に起こったことと“ミッション”について打ち明けた。もう１人、その告白を聞いていた者が…。

許澤羽（きょ・たくう）と盛大な婚儀を挙げることが、緑蘿（りょくら）の命を助けてやる条件だ――。拓跋牧（たくばつ・ぼく）は、そう白柚可（はく・ゆうか）に迫る。一方、澤羽は懸命に柚可の行方を捜すが…。

気配を殺し、拓跋牧（たくばつ・ぼく）たちの隠れ家に近づく喬双双（きょう・そうそう）。同じ頃、睿（えい）王府では白柚可（はく・ゆうか）と許澤羽（きょ・たくう）の婚儀が、今まさに始まろうとしていた…。

難局を切り抜けた許澤羽（きょ・たくう）だったが、その顔には笑みも安堵の色もない。婚儀の最中に倒れた白柚可（はく・ゆうか）は死の淵にいた。彼女の言う“宿命”の意味を知った澤羽は、柚可にそっと口づけを…。

こんな悲しい結末を打ち破るためには――。謎の声の言葉がヒントだった。覚悟を決めてペンを手にする白柚可（はく・ゆうか）。しばらくの後、彼女の姿は敬耀（けいよう）国睿（えい）王府の門前にあった。そして…。