祈今朝/Sword and Fairy 6
3年前、烏岩(うがん)村で目覚めたときには記憶を失っていた越今朝(えつきんちょう)と越祈(えつき)。2人は過去を探し求めて放浪している。左目で未来を見ることができる越今朝はある日、過去を知る鍵となる人物として赤い衣の男を予見。盈輝堡(えいきほう)で出会った洛昭言(らくしょうげん)は、まさに予見した赤い衣の男だった。過去を探るため、2人は邪教・啓元(けいげん)宗を倒そうとする洛昭言と行動をともにし、啓元宗の拠点である浮金堂(ふきんどう)に乗り込む。しかし、そこで越祈は、信徒から溟主(めいしゅ)としてあがめられて…。
自分の体に魂魚(こんぎょ)が融合したことも、溟主と呼ばれることも、越祈自身はまったく身に覚えのないことだったが、啓元宗の聖宣(せいせん)は2人を知っているようだ。溟主という過去への糸口をつかんだ越祈と越今朝は、さらに多くの糸口をつかむため洛昭言から離れまいとする。一方、洛昭言は無邪気な越祈が悪の権化・溟主とは思えないものの、過去の記憶がない2人への疑いを捨てきれず、彼らの素性を探るために洛家荘(らっかそう)の屋敷に連れて行くことにする。
西域(さいいき)の洛家荘を訪れた越祈と越今朝。越祈が洛家荘の結界に足を踏み入れたとき、洛昭言の双子の兄・洛埋名(らくまいめい)が腕にはめた熱海(ねっかい)の鍵が光を放った。九泉(きゅうせん)の1つである熱海と越祈とのあいだに何らかの関係があることに気づいた洛埋名は、越祈に親しげに接し、過去の記憶を聞き出そうとする。浮金堂で押収した帳簿から啓元宗の拠点が落日(らくじつ)村にあると知った越今朝たちは、過去につながる啓元宗と溟主の秘密を探るため、落日村へ向かうことにする。
洛(らく)家への怒りが収まらない越今朝は、洛昭言たちを置いて落日村に発つ。しかし、越祈のわがままで結局、彼らとともに旅をすることに。道中、ある男が啓元宗に虐げられていた。男を救おうと奮闘するが、高驍(こうぎょう)が操る蠍(さそり)に手こずる越祈たち。そこへ、与青山(よせいざん)の掌門(しょうもん)・顧寒江(こかんこう)の弟子である明繍(めいしゅう)とその遊歴に同行していた閑卿(かんけい)が現れて越祈たちを救う。新たな仲間を得た一行は、落日村の謎めいた名医・扁絡桓(へんらっかん)を訪ねるが、なぜか越祈は彼に親近感を覚える。
越今朝と似ている扁絡桓に初対面のときから親近感を覚えていると、洛昭言に秘密を打ち明ける越祈。しかし洛昭言は、どう見ても別人だと反論し、前にどこかで会ったことがあるのではないかと逆に問う。洛昭言はさらに、熱海について知っているかと探りを入れるが、越祈は越今朝の言いつけを守り知らないふりをする。そのやりとりを物陰で扁絡桓が聞いていて…。その後、越今朝ら仲間6名は一堂に会し、啓元宗を捕らえるための作戦を立てる。
毒で重症に陥った越祈を解毒するため、扁絡桓は誓いを破り禁断の術を使った。おかげで越祈は無事に回復したが、聖宣かもしれない扁絡桓が越祈を救ったことで越今朝たちの疑念はますます深まる。扁絡桓が聖宣なら、啓元宗の人間がなぜ越祈を助けたのか。溟主かもしれない越祈と扁洛桓には何か関係があるのか。扁絡桓の素性を探れば越祈と越今朝の過去が分かるかもしれないと考えた洛昭言は、洛埋名に探らせるため扁絡桓を洛家荘に招待する。
洛昭言が洛埋名を訪ねたとき、再び呪いの発作が起きる。洛昭言は洛埋名に生命力を吸われるが、それでもこの呪いを受け入れると断言する。一方、何とかして扁絡桓の素性を突き止めたい越今朝は、閑卿とともに彼に会いに行く。その頃、洛埋名は呪いを解く方法を聞き出すため、扁絡桓を八角(はっかく)塔へと誘い込んでいた。案の定、九泉について熟知していた扁絡桓。洛埋名はさらに、越祈の師匠なのではと彼に問うが、そのやりとりを越今朝が耳にして…。
越今朝ら一行は客桟(かくさん)で食事をとるが、席に着いた洛昭言が体調を崩したため、予定を変更して急遽宿泊することになった。越今朝は同じ日に洛昭言が2度も発作を起こしたことに違和感を覚え、扁絡桓に疑いの目を向ける。その直前に扁絡桓が手にしていた白い花に糸口があるとにらんだ越今朝は、閑卿に相談を持ちかける。また、扁絡桓が落とした草細工の魚を見て、越祈の過去と何らかの関係があるのではないかと疑念を募らせていた。
綺里小媛(きりしょうえん)の攻撃で崖から川に落ちた越今朝だが、越祈が助け出したことで幸いにも無事だった。しかし運の悪いことに啓元宗の一行に出くわし、高驍が操る震鰩(しんよう)と戦うことになる。別人のような越祈の活躍で震鰩を倒して高驍らは退散したものの、越今朝は重傷を負って昏睡状態に陥ってしまう。一方、与青山を訪れた洛昭言は、幼い頃に自分が閑卿から妖力を譲られていたこと、またその件で父の洛望平(らくぼうへい)が閑卿との約束を反故(ほご)にしていたことを知る。
目覚めると、川で越祈の身に異変を感じたことを思い返す越今朝。顧寒江らが助け出す前にすでに朔漩(さくせん)が2人を手当てしていたと知った越今朝は、彼女への疑惑を深める。2人の無事を見届けた洛昭言は、閑卿との気まずい関係を避けて啓元宗の拠点を探るのを口実に1人で江寧(こうねい)に向かう。自らが守護する無垢(むく)の鍵が越祈に反応したことに気づいた顧寒江は、越祈と越今朝が目覚めたのは3年前の7月14日だと越今朝から聞くと、一行を無垢に連れて行く。
越今朝は、越祈と絆を深めれば霊犀(れいさい)術の威力も増すと顧寒江から聞く。絆を深めてみようと越祈に持ちかけた越今朝は、月夜の下で愛の詩を詠むが越祈に想いは伝わらない。肩を落とす越今朝だったが、2人はたまたま唇を重ねてしまい…。一方で明繍は、なぜ3年前、木槿(むくげ)の木を法術で除いたのかと顧寒江に問う。顧寒江の返答に納得できない明繍は彼に抱きつき、愛慕の情を打ち明ける。しかし顧寒江はきっぱりとその想いを拒み、すげなく突き放す。
景安(けいあん)で啓元宗の信徒が起こした騒ぎを収めた一行は、正武盟(せいぶめい)の敷地に足を踏み入れる。すると、居十方に目を留めた同門の輩が機巧堂(きこうどう)とその堂主である居十方を嘲(あざけ)る。居十方が帰郷を渋ったのはこのせいだったようだ。その後、越今朝らはひとあし先に正武盟に来ていた洛昭言と合流。盟主(めいしゅ)である左冠人(さかんじん)と改めて挨拶を交わし歓待される。左冠人によれば、正武盟は何年も前から啓元宗と敵対しているが、なおも多くの謎を抱えているという。
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