イシカワ刑事(小栗旬)は死者に導かれ事件の真相を探る。
被害者(の霊)の証言なのだから、被疑者の真偽は疑いようがないのだけれど他人には証明のしようがない。
それをどうやって逮捕へ導くのか。
イシカワがとげる変貌、その決意をたたえた面差しが印象的。
孤独な目の色が沁みる…。
#2はそんな孤独と卑劣な犯人との駆け引きがおもしろい。死者と刑事の組み合わせ、毎回趣向を変えた展開で目が離せない。
そして#5の顛末を見るにつけ、このドラマの主題が見えて来るような気がした。
#1の冒頭でイシカワが語ったように、刑事ドラマは被害者が出ることで成り立つという構造上、視聴者は他者の不幸を待ち望む。
イシカワにはそれが生き甲斐で、ドラマ視聴者には娯楽である。
そんな後ろ暗い業を突く脚本だと思う。
またその死を美化したり茶化したりせず、#5のように死は誰にも等しく訪れるものだとじっくり問いかける。
作者の目論見は後半にさらに明確になると思うが、ただの刑事ドラマをはなれて、人間の罪と死というものを見つめる物語になっている。