たむ

クリミナル・マインド:KOREAのたむのレビュー・感想・評価

クリミナル・マインド:KOREA(2017年製作のドラマ)
3.2
アメリカのプロファイリングドラマの最高峰『クリミナル・マインド』の韓国リメイクです。
あの完璧すぎるストーリーテリングのテレビドラマのリメイクをする、韓国ドラマ界の凄まじい勢いを感じさせますが、やはりオリジナルの凄さを実感させられます。

オリジナルの凄さは捜査側と犯人側を同時進行でクロスカッティングしていく構成が圧倒的な面白さに繋がっていました。
韓国版ではその構成は踏襲されていません。
いくつかの話ではその構成が出てきますが、犯人の狂気を見せつつ、プロファイリングで逮捕へと近づいていくサスペンスの高まり方。
しかもこのリメイクは、ほぼ同じ事件を取り扱っています。
そうなると、オリジナルの構成を知っている分どうしても見劣りしてしまいます。
あと1話完結ではないのもオリジナルとの違いで感じ方が違う構成です。
クリフハンガーで終わらせて、次への興味へ繋げる構成は大きな違いです。

びっくりするのは、オリジナルのリーダーのホッチの奥さんに悲劇が起きるのですが、こちらは3〜4話で出てきます…。
シーズンを重ねて登場人物への思い入れも強くなってからの悲劇と、開始早々まだどんな人物かわからないで起こる悲劇は、同じ悲劇でも感じ方がかなり違います。
全20話、多くのシーズンを重ねてきたシリーズの印象深いエピソードを韓国を舞台にして作り上げた作品です。
メンバーも同じようなキャラクターに踏襲されており、オリジナル知っているとより楽しめます。

日本が『24』をリメイクした時ほどの絶望感はなく、同じ題材も韓国で起きた場合を想定しての脚色があるので、その辺りはさすがです。
お馴染みの格言も毎回出てきますが、ニーチェとドストエフスキーがやたら多かったですね。
たむ

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