shiho

バンド・オブ・ブラザースのshihoのレビュー・感想・評価

バンド・オブ・ブラザース(2001年製作のドラマ)
5.0
第二次大戦を題材に、兵士たちを描いた物語。戦争を美化しているのでなく、あくまでも、過酷な極限状態に身を置いた人達の絆(バンド)の物語。

毎話息を呑む。
胸を詰まらせては言葉を失う。
もう、お願いだから、誰も死なないで。

9話に至ってはもはや、心が動いた感覚がないのに、目からつーって汁が出た。


・・・そして考えさせられる。


こんなことはいけない。繰り返してはいけない。でも繰り返されてる。

これは昔の話じゃない。今も同じ世界で起こってる話。もしも、日本で徴兵制が施行されたら?長男や次男が戦争に行かされるなんて絶対に嫌。例え非国民と言われても、世界中から後ろ指を刺されても、子供達が生きていてくれるならそんなことはどうでもいい。こんなことで我が子を失うなんてやりきれない。

“こんなこと”と思ってしまうのは、私がたまたま豊かな国でのほほんと育った何者でもない人間だからだろうか?それとも…

この映画の題材は今から80年以上も前の第二次大戦だけれども、ここに描かれていることは、終わってないし、無関係じゃないし、他人事じゃない。

毎話ごとに、緊迫した戦闘シーンが描かれる本作。映像作品としてお見事としか言いようのない迫力と臨場感、そのなかに、兵士達の心情もしっかり浮かび上がってくるのだからますます凄い。だからこそ、見ているこちらの胸にも迫ってくるものも圧倒的なんだろう。

戦争は、そこにいる者達の身も心も壊していく。それも木っ端微塵に。有無を言わさず。

この戦いって本当に必要?
有意義な死ってなに?

誰かに奪われていい命なんてないはずなのに。大勢の命を捧げられるに値するほどの大義などあるのだろうか?

分からない。世界の片隅に生きる、いち主婦の私には思いも及ばないことがあるのかもしれない。どうしても避けられない戦いもあるのかもしれない。


ならば。


戦いたいなら、せめて命を脅かさない方法で、身も心も傷つかない方法にしてほしい。

世界中の偉い方達に提言したい。
全ての戦、オセロにしません?
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