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デューン 砂の惑星 Ⅱのブタブタのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星 Ⅱ(2003年製作のドラマ)
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ポールの父、レト公爵がウィリアム・ハートでポールの息子、レト二世が何と若き日のジェームズ・マカヴォイ!
現時点でDUNEの『砂の惑星』の後、第二章『砂漠の神皇帝』第3章『砂丘の子供たち』の唯一の映像化作品。
このSci-Fi制作のTVミニシリーズはTVなので少し特撮・CGなどがちょっとチープ感漂うのは仕方なし。
でも何故かこのDUNE、美術デザインがアラビア風で『アラビアのロレンス』➕『毒戦ドラッグ・ウォー』といった感じのまるで遠未来の中東で繰り広げられる宗教・民族対立とそれに介入する超大国、そしてランドスラード宇宙の趨勢を左右する不老不死・超能力薬であるメランジを巡る幾つもの組織の争いや水面下での駆け引き等、クライム・アクションの様。
作者曰く惑星アラキスは「宇宙のアフガンである」の解説通りにそこで最も貴重な資源・石油ならぬ香料メランジを巡る争いは、国家や王族、現地民族全てを巻き込んでのやがて現れる救世主伝説、やっぱり原作の全てを描くにはこれくらいの時間は必要。

銀河帝国の皇帝親衛隊サルダウカーについて。リンチ版そしてヴィルヌーヴ版共にあんまり気合いが入ってない。
ヴィルヌーヴ版ではなんて言うかスターウォーズでのストームトルーパーのちょっと上みたいな扱いだった。
スーツのデザインも普通の未来兵士みたいな感じ。
リンチ版では潜水服みたいな格好で、それはそれで逆にシュールな不気味感を醸し出してたけど。
このSci-Fi TV版のサルダウカーは中世のアルルカンを思わせるでっかいベレー帽?被った皇帝の傍に仕える「道化」であり、軍事力である事は勿論、諜報や暗殺・殺人や非合法のあらゆる行為が許された埒外の存在である、という感じがよく出てた。

ただハルコネンの一族がちょっとガッカリな感じ。
ハルコネン男爵は時代劇に出てくる悪党の親玉みたいでその残虐さや異常さが足りない。
そしてポールの運命の宿敵フェイド・ラウサも変態度ではリンチ版のスティングに負けてる。
それから皇帝シャッダム四世が『ハンニバル』でレクター博士に殺される警部役の人なので小物感が否めない。
ホドロフスキー版の全身キンキラのサルバドール・ダリの皇帝。
股間隠しただけの変態衣装のミック・ジャガーのフェイド・ラウサ。
ヴィルヌーヴ版『DUNE Part2』ではこれらを超える皇帝とフェイド・ラウサが果たして登場出来るか?
それから肝心の「ナビゲーター」もやっぱりリンチ版のが今んとこ一番凄い。
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