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セーラー服と機関銃(2006年版)のtakのレビュー・感想・評価

3.0
日本のテレビドラマを真剣に見ない人だったのだが、これが放送されていた年末も近づいた頃。毎週金曜夜10時はテレビの前から一歩も動かなかった。長澤まさみ主演の「セーラー服と機関銃」のせいである。僕は八代目組長星泉の成長を見守ってきたのだ。

それにしても思ったよりよかった。前半のコメディタッチに違和感を覚えていたが、後半のシリアスなムードにやられた。このドラマには、現実ありえねぇー!と思えるところを大まじめにやっちゃう強さがある。

思えば、赤川次郎のあの頃の作品にはそういう強さがあった。女子高生がいきなりヤクザの組長になったり、平社員のOLがいきなり社長になったり。薬師丸ひろ子がアドリブで発したという「カ・イ・カ・ン」なーんて台詞がなくっても、まさみちゃんは命の大切さを視聴者に叫び続けた。あの最終回の殴り込み場面は感動したよなぁ。

「一度だけ、人の道を外れてもいいですか?」
君の涙に負けたよ。僕も佐久間サンも。

美保純(これも80年代組には嬉しい)が経営するストリップ小屋でヤクザとのトラブルが。そこで我らがまさみちゃんは「裸になればひきさがってやる」と言われ、ステージの上でセーラー服を脱ごうとする。そんな場面がある第2話。放送翌日、仕事で関わってた若い男の子たちの話題はこればっかだった。
「脱ぐかと思ったよねぇ!」
「そうそう!ドキドキしたよねぇ!」
んなわけないやん!と思いながらその会話を聞いておりましたが、彼らには十分刺激だった模様。

オリジナルの映画では、薬師丸ひろ子が初キスシーン!ということで話題だったから、まさみちゃんは堤真一とキスシーンがあるのか?と僕はそっちでドキドキでした(笑)。

最終回。
「さよならは別れの言葉じゃなくて、再び会うまでの約束なんです。」
堤真一のこの台詞には吹き出しそうになった。楽しいドラマでした。
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