CureTochan

ブレイキング・バッド SEASON 1のCureTochanのレビュー・感想・評価

4.5
新作映画の感想には、ネタバレについての繊細さが求められる。何をネタバレと感じるかは人によるからだ。無神経な感想を書く人がいたので、二人ほどフォローを外した。

これも、いわば多くの人をフォローしたということの副作用であり、私が招いたことだ。世の中のすべては化学反応、ケミストリーなのである。そのことこそ、本ドラマシリーズのテーマだろう。少し突き放した、だけどなんか見てて元気も出るような匙加減がうまい。目線は楢山節考に近い。
あと広角レンズ好き。

アメリカ国内を相手にするドラマでは、映画よりさらに、セリフが聞き取りにくい気がする。それでいて字幕の酷さは映画以上。まるで逆の意味のこともある。

そこへ、社会の空気の違い。モラルは特にそれが顕著だ。盗癖のあるキャラが出てくるが、そのぐらいは普通なのかな?と思う人もいるのじゃなかろうか。でも人殺しに対する罪悪感は、その前の、どんどん殺しづらくなる展開とあわせて、日本人にはむしろウエットに感じられるかもしれない。「シャン・チー」の父親像ってのも、予告編しか見てないけど、アジア人が感情的になんかタンパクだということにつながる気がする。感情がないバルカン星人の混血であるMr.スポックは、あからさまに目がアジア系である。完全にアジア系にメークされたドクター・ノオに酷似している。それとは別にスタートレックでは、ジョージタケイが初めて、アジア人としてレギュラーキャストになっているが、やっぱりエンジニアみたいな役だ。

はじめはただ、金のためだったのかもしれない。でも主人公はどんどん悪くなり、本人もそれが気持ちよくなってくる。それに関わる人たちの内面も濃厚だ。もともと自分が招いたことでも、受け入れかねることはある。ながーいフォーリング・ダウンが始まった。
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