もとまち

仮面ライダークウガのもとまちのレビュー・感想・評価

仮面ライダークウガ(2000年製作のドラマ)
4.3
正直舐めてたけどめちゃんこ名作でしたごめんなさい。シナリオ、キャラ立て、アクション、カメラワーク...あらゆる要素が堅実に作り込まれた素晴らしい作品。まず、ゲームのように淡々と無慈悲な殺戮を重ねる怪人たちの存在に度肝を抜かれる。直接的なグロは抑えているものの、彼らが市民を襲うシーンには怪奇映画のような迫力があり、こんなのを朝っぱらから流していたテレビ朝日は凄すぎる。そしてやはり、主人公・五代雄介の描き方が秀逸。最初はただの能天気なポジティブ野郎のように見えて、その裏ではヒーローであるがゆえの様々な葛藤や苦しみを抱え込んでいることが、話数を重ねるごとに見えてくる。彼は周囲に心配をかけないように、そしてみんなの笑顔を守るために、人前でその姿を晒していないだけなのだ。単純な明るいキャラなどでは決して無く、その奥底には石ノ森的な戦士ならではの孤独が胎動している。その本性が剥き出しになるラストのザグバ戦が本当に素晴らしい。暴力を行使することの「痛み」に真正面から向き合いながら、涙を流して拳を振るう主人公の姿を見ているとマジで泣けてくる。一条さんを含む警察の人々のドラマもしっかり練り込まれていて、彼らがクウガと共闘していく様はめちゃくちゃアツい。警察内部の描写にリアリティがあり、敵に対処するための特殊武器を用意して戦う様は平成ガメラのようなカッコ良さ。
もとまち

もとまち