Smoky

ピーキー・ブラインダーズ シーズン1のSmokyのレビュー・感想・評価

4.4
久々に「スタイル」のあるドラマに出会ってハマっている。

第一次大戦直後、女王ではなく国王が治めていた大英帝国。舞台はバーミンガム。太陽も覆い隠されるほどの工場の排煙と煤けた街並み。訛りがキツ過ぎて何を言ってるのか分からない言葉。労働者階級の多くは帰還兵で何らかの後遺症を抱え、戦場に行かなかった男は蔑まれる世界。

当時「ブラックカントリー」と呼ばれていた大英帝国中部の景色に映えるギャングたちのスタイルと、ニック・ケイヴやホワイトストライプスなどの激渋BGM。
ツイードのスリーピース、パンツの裾丈は短目でブーツを履き、シャツは白のラウンドカラー、サイドを刈り上げトップを残した「クロップ」と呼ばれるヘアスタイル、剃刀の仕込んだキャスケット、そして酒と煙草。

クリストファー・ノーランなどの名匠たちが、こぞって使いたがるキリアン・マーフィーという俳優を堪能するためのドラマ。男臭くて冷静で冷酷でありながら、どこか弱さと品の良さも漂わせる、そして何といってもあの青く美しい目。サム・ニールの「イタくてキモいオッサン公務員」っぷりは最高だし「掃き溜めに鶴」的なアナベラ・ウォーレス様の圧倒的な美しさはメラニー・ロランっぽい。

今後のシーズンには、トム・ハーディやエイドリアン・ブロディなどの大御所が出演予定。これは流れに身を任せて観るしかない。
Smoky

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