Smokyさんの映画レビュー・感想・評価

Smoky

Smoky

ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.4

マーキュリーからジェミニ、そしてアポロへ。名作『ライトスタッフ』から35年を経て製作されたその続編とも言うべき人間ドラマ。テストパイロット時代のアームストロングにイェーガーがダメ出ししてたのには笑った>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

3.9

返還直前の香港。中国と欧州とインドが混ざり人々が身体をぶつけ折り曲げながら往き来する混沌。ジットリとまとわりつくモンスーンアジアの湿度。ビルをかすめて離着陸する飛行機。迫る中国政府による統治を警戒して>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.9

人間は「向いてないこと」をやってはいけないし、やらせてはいけない。そんな教訓を得られる90分。

才能の無い人間が、勘違いによって、使い古された手法で浅薄な主義主張のポップアートを量産、しかし、重鎮た
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.0

ある二人の、A面:出会いから結婚、B面:諍いから離婚までを交互に描いた作品。A面は二人共勢いだけで心配なくらいラブラブ、B面は拗らせた二人がひたすら喧嘩を繰り返しリアル過ぎて陰鬱。かなりヤられる。>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.3

面白かった。埼玉愛を描いた物語りを沖縄出身の2人が演じる…という巡り合わせ。

欲望の翼(1990年製作の映画)

4.1

観る文学。吐く台詞だけはカッコいいダメ男と、そんな男に惚れてしまう女性たちと、その女性たちに叶わない慕いを寄せる男たちと、天井の低い部屋で身支度をする男の話。

1960年代の香港のヴィンテージな雰囲
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高地戦(2011年製作の映画)

3.8

劇中で語られる「俺たちは敵と戦ってるんじゃない。戦争と戦ってるんだ」「戦争に勝つことは、生き残ることだ」という言葉が全て。見事な反戦映画。

戦争を「考える」人間と、戦争を「実行する」人間の違い。無能
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セデック・バレ 第一部 太陽旗(2011年製作の映画)

3.7

日本と台湾との歴史を語る上で避けては通れない「霧社事件」を題材にした二部作4時間半から成る作品。

台湾を「親日の隣国」という単純化した一元論で見るのではなく、こうした歴史を理解した上で現在の両国の
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グリーンルーム(2015年製作の映画)

3.5

『ホールド・ザ・ダーク』が良かった監督による、青春パンクバイオレンスわんこ映画。Dead Kennedysにアガり、タランティーノ的展開にハラハラし、『トゥルー・ロマンス』的リベンジにノリノリになり、>>続きを読む

パラダイス・ネクスト(2019年製作の映画)

3.9

全編台湾ロケのノワール・ファンタジー(勝手にジャンル付け)。トヨエツがセクシーに、妻夫木が無邪気に牛肉麺を頬張る冒頭、台北から花蓮へ、湿度や匂い、光と自然、原住民音楽など、台湾の魅力全開。

台湾映
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

富裕層の欺瞞も、貧困層のルサンチマンも、格差社会への憤りも、全てを描きながら、どれにも感情移入も加担もさせない物語。勧善懲悪の分かりやすさを拒絶し、人間への愛情と不信感を同時に描くポ・ジュノ監督の作品>>続きを読む

マーシュランド(2014年製作の映画)

3.6

『TRUE DETECTIVE S.1』を代表格とした、ある意味の定番「湿地帯×連続猟奇殺人」のスペイン・バージョン。本作が他作品と違って際立つのは【観る人によって様々な解釈と推理が成り立つ】というも>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

4.7

ポール・オースターの小説(映画『スモーク』の原作)にあった「信じる人が一人でもいれば、その物語は真実に違いない」という一節を想起させる群像劇。この映画の本質をドンピシャで歌い当てたエイミー・マンの主題>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

人種や階級を超えた友情を描いた映画ではあるのだけれど、個人的には、クラスメイトや先生や両親から期待された優等生が、それを煩わしくプレッシャーに感じている横で、自分らしく楽しく生きる不良を見て羨ましく感>>続きを読む

クラッシュ(2004年製作の映画)

4.8

「問題は言葉の響きの中になど存在しない。それを使う人間の意識の在り方にある」という言葉を思い出した。差別の根源と人間のどうしようもない不完全さを描いた名作中の名作。

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.7

危篤状態に陥ったスターリンを助けようとする側近や医者が保身のためにチンタラやってる間に、亡くなってしまう自業自得感と風刺感が好き。いろいろブラックジョークで笑うんだけど、これが(大部分が)実話だという>>続きを読む

ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.4

30年ぶりくらいに再鑑。当時19歳のダイアン・レインの大人っぽさ、今観るとスタローンみのあるマイケル・パレ、この頃から悪役の似合うウィレム・デフォーの顔芸、ビル・パクストンが出てたのにはビックリ。アル>>続きを読む

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.1

ジャック・リーチャーのシリーズはこれで最後とのこと。確かにそれが懸命…と思った凡作中の凡作。『ミッション〜』シリーズとも方向性が被るしね。トム様は、ちょっと一回落ち着いてやってるプロジェクトの整理をし>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.0

30代のアジア人女性監督が女性を主人公にしたアメコミ映画を作る…ということに感動と期待をして観たのだが…。アメコミ映画も、そのヒロインも完全なデフレーション。マーケティングと商業主義の犠牲となってしま>>続きを読む

ザ・レポート(2019年製作の映画)

3.5

スティーブン。ソダーバーグ監督と組んで『サイドエフェクト』や『パナマ文書』、コロナ禍で最注目された『コンテイジョン』など社会派ドラマのシナリオライターとして名を馳せ、最近では『007 ノータイム・トゥ>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.8

『風と共に去りぬ』『コフィー』『スーパーフライ』『シャフト』そして『國民の創生』…差別意識を煽り、人種問題をステレオタイプ化する要因が映画にあるのであれば、それを解決することもまた映画に出来るのではな>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.1

あふれる映画愛、圧倒的な情報量、まさかの結末、そして、最高のわんこ映画。

従来のタランティーノ作品とは若干毛色が異なる印象。よく知られた実話をベースにしているだけに、ストーリーテリングでグイグイと引
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

サム・メンデスとロジャー・ディーキンスという、大英帝国が誇る二人の名匠による戦争映画。

ワンカット(長回し)撮影の効果の一つである「没入感」を徹底的に追求した美しい映像は、ある意味でコンピューター
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RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

3.8

ジェンダーギャップ指数が121位/153ヶ国の我が国から見れば、彼女の存在は「違う惑星の人」に思えてくる。若い世代からも「Notorious RBG」の愛称で親しまれ(同じブルックリン出身!)惜しまれ>>続きを読む

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

4.1

思い出したのがマルティン・ルターの言葉「たとえ明日、世界が滅びるとしても、今日私はリンゴの木を植える」。

デストピアとSFの体裁を取りながらも、極めて内省的で、静寂に満ちた、映像の美しい作品。

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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.6

先日観た『ヒルビリー・エレジー』と似た境遇の家族を描きながら、あの作品が辿り着いたのが希望である一方で、本作が辿り着いたのは絶望。

親が子供だと、子供が親の役割を担わされる。そうしてイビツな共依存
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

3.5

リーアム・ニーソンとレイフ・ファインズをよく間違える映画ファン失格のような自分。そんな訳で(?)超有名作にも関わらず未観だった作品をやっと観た。(クワイ=ガン・ジンがリーアム・ニーソンで、Mがレイフ・>>続きを読む

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.9

自伝であり、米国の白人貧困層の家族や文化について書かれた原作本が、特に前大統領の当選後から、やたらと米国の政治的・社会的なイシューを語る際の引き合いに出されていて、本書の主題から外れているんじゃないか>>続きを読む

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

3.6

今や絶滅危惧種と言っても過言ではない、王道の探偵ハードボイルドもの。『ロング・グッドバイ』『チャイナタウン』などの系譜。ストーリーもやっぱり王道(ありがち)なんだけど、並々ならぬ情熱で演じたエドワード>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

3.9

世の中に、不思議を描いた映画は数あれど、本作は、映画を構成するパーツそのものが不思議な感じ。全ての要素がひん曲がっていて不安定なバランスで成り立ってる。画面は静かなのに(BGMは一切なし)観客の心はそ>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

3.6

映画作りのセオリーみたいなものを、良い意味で破壊した名作。セリフが無くとも、音楽と役者の演技力と映像の力だけで情感たっぷりに物語を語る力量に感動。

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)

3.9

一言で言うなら「オープンエアの密室劇」。『フォーン・ブース』や『オン・ザ・ハイウェイ』などに象徴されるように、この手の作品のポイントは、プロットの面白さと、俳優の演技力(実質ひとり芝居なので)を、90>>続きを読む

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

4.1

スカヨハ様は『GHOST IN THE SHELL』に出演する3年前、既に草薙素子を演ってたじゃん…を確認する映画。

本作は『攻殻機動隊』だけでなく、『AKIRA』『マトリックス』『男たちの晩歌』『
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.3

キャラ設定や前半の伏線展開など「おぉぉっ!」となるんだけど、中盤あたりから雲行きが怪しくなり、終盤の伏線回収の弱さに落胆。ラストの描き方からしても、ベン・アフレック的には「ヒットしたらシリーズ化」を狙>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.5

齢90歳を迎えてもなお創作ペースを緩めない御大の監督最新作。世の中にSNSが登場するずっと以前の実話の映画化だが、国家権力の面子とマスメディアによって誤報(フェイクニュース)が生み出され、拡散される途>>続きを読む

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