戦車搭乗員たちの人間ドラマ。物語の基本的な建て付けは『プライベートライアン』のそれ(ノルマンディ上陸作戦後の欧州戦線だから尚更)だけど、スピルバーグとは異なり、第三帝国、連合国どちらにも肩入れない比較>>続きを読む
どれだけ雑な作りであろうと、どれだけ伏線回収が中途半端であろうと、どれだけジョセフ・ファインズやガエル・ガルシア・ベルナルやポール・レイシーといった名優たちが無駄遣いされようと、J.LO様だけは正義で>>続きを読む
独特の映像と世界観は、ちょうど20年前に『キル・ビル』を観たときの感覚に似てるし、スピードとグルーヴ感はガイ・リッチーの『スナッチ』に似てる。キアヌのダブルスタントをやったチャド・スタエルスキが『ジョ>>続きを読む
ノリにノってる映画監督ジョーダン・ピールの最新作は、同じくノリにノってる撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマとタッグを組んだ、映画とジャパニメーション愛に溢れた、SFホラーウェスタンアクションブラックコメ>>続きを読む
イ・ソンギュンのイケボが法廷に響き渡る『女神の見えざる手』を彷彿させるリーガルドラマ…なんだけど、展開が読めてしまうライトさは、映画というよりテレビドラマのレベル。サクッと時間を潰すにはいいかも。
小遣い程度の賄賂を揉み消そうと必死になってるうちに、莫大な賄賂の揉み消しに加担してしまっている物語。やるならデカくやろうぜ…韓国おっかねぇ。
基本的には、ある時は『シャイニング』のジャック・ニコル>>続きを読む
タイ・シェリダンを、バリー・コーガンと勘違いしたまま10分ぐらい観てた。この2人、似てない? アナ・デ・アルマス様は中途半端なビッ◯役で肩透かし。レグイザモは普通。大好きだったヘレン・ハントの顔が…。>>続きを読む
36年ぶりの『トップガン』は、36年前のファンの期待を裏切らないよう創られた完璧なマーケティング映画。
彼らが求めるのはストーリーよりもスタイル、リアルさの追求は状況設定よりも空中戦。だから、取っ>>続きを読む
恐ろしいのは、制度そのものより、それが浸透していく過程。事件を都合よく解釈&利用し、なし崩し的に外堀を埋めて既成事実化し「空気」を作る、皆がそれに慣れる(諦める)ことで同調圧力が作用して少数派や弱者の>>続きを読む
誰もが知っているロックスターの、手垢のついたエピソードの数々も、バズ・ラーマン監督の手にかかれば、見事に彼の色に染まる。彼の顔面のボトックスばりに盛られた、煌びやかで情報過多な映像と音楽を浴びる2時間>>続きを読む
冒頭でやらかした業務上のミスの後始末に2時間27分付き合うという作品。アクション映画というのは、基本的に「失敗とその挽回を見続けさせられる」ジャンル、ちゃんと計画通りにコトが進めばアクションは起きない>>続きを読む
自分が『マトリックス』を好きな理由は、(当時)誰も見たことのなかった革新的な映像とスピード感であり、物語やテーマには然程めり込めなかった…ということを改めて確認した作品。劇中で”四本目を制作する意義”>>続きを読む
マーベル・コミックス原作+ニコラス・ケイジの顔芸+HR/HMなBGM+バイク&カーアクション+ホットなチック(エヴァ・メンデス最高)という「LOW IQ / HIGH ENERGY」「低評価 / 高>>続きを読む
オビ=ワン・ケノービが、恐怖の館(オーバールック・ホテル)に戻り、アナキン・スカイウォーカーよろしく父親と対決する…というシュールな展開。しかし、その父親はジャック・ニコルソンというより、痩せたジャッ>>続きを読む
なんでもCGで作れる時代に、実写(やそれに近い撮影方法)であれだけの映像美を作るウェス・アンダーソンという稀有の才能。しかも、人によっては僅かなシーンのためにあれだけの名優がこぞって参加する引力はテレ>>続きを読む
デヴィッド・O・ラッセルは、いかにも米国のリベラル派らしい青臭さも含めて好きな監督なんだけど、たまにその青臭さが前面に出過ぎて収拾が付かなくなる作品がある。本作がまさにこれ。その意味では、オリバー・ス>>続きを読む
あのエンディングは観る価値あり。逆にそれ以外は…な作品。いわゆる「ぼんやりとした不安」というやつを描いた作品だと思うけど。ノア・バームバックは好きな監督だけに残念。
『パンチドランク・ラブ』から20年、『ファントム・スレッド』から5年。恋愛ドラマの名作を生み出してきたPTAこと、ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作。
恋愛ドラマの側面はありながらも、純粋と>>続きを読む
まず思い浮かんだのが、カポーティの『冷血』。犯罪の加害者だけでなく、それを手引きしたのが被害者の家族であるという闇。それを追求するジャーナリズムも、社会正義の美名を借りた部数追求と自己陶酔のために周囲>>続きを読む
大好きなPTAが、作風を大転換させた重厚な歴史人間ドラマの金字塔。
名優ダニエル・デイ=ルイスの迫真の演技をして「石油とカネが全ての孤独な男の悲劇」を描いた大作と言われるけど、自分の評価は少し違っ>>続きを読む
小さい頃から映画を観ていて、映画を扱う仕事に就いた自分にとって、同時期に登場したクエンティン・タランティーノとポール・トーマス・アンダーソン(以下、PTA)は重要な映画監督。特に、自分とほぼ同じ歳で、>>続きを読む
重い話ではあるが、かといって救いが無いわけではない。善悪の話ではあるが、かといって説教臭いわけではない。誰にも肩入れせず、かといって突き放すわけでもない。。
育った環境や家族での立場や役割、観るタ>>続きを読む
米国の偉大なる知性だった「Notorious RBG」こと、ルース・ベイダー・ギンズバーグの若き日々を描いた作品。意気揚々とハーバード・ロースクールへ向かう男性の群衆の中に一人だけ映る彼女の姿を描いた>>続きを読む
23歳のとき、本人監督&出演でウルトラマンの自主制作映画を作った庵野さんが、その40年後にたんまりお金をかけて再び挑戦。
あれだけ見事に美しく人間の絶望と滅亡を描いた彼が、結婚や会社設立を経てから>>続きを読む
ビッグアイランド(ハワイ島)のドライヴでヒロから北西に約1時間。ボ〜っとしてるとうっかり通り過ごしてしまうような数ブロックの小さな街(…というか村。実際、初めて行った時は通り過ごしてしまった)ホノカア>>続きを読む
『ジョン・ウィック』のキアヌ・リーヴスを、そのまま中年のオッサンに替えただけのアクション…と書くとアレだけど、『ジョン・ウィック』が好きな人には十分見応えのある作品。かく言う自分も大好き。『ブレイキン>>続きを読む
世界最大の麻薬消費国である米国を隣国に持つメキシコの麻薬は、同国の石油やアボカドと並んで外貨をもたらす輸出品。もちろんオフィシャルな産業ではないから税金も払っておらず関係者は丸儲け。同国カルテルのボス>>続きを読む
名匠ヴィルヌーヴ監督版の『ファイトクラブ』。「拗らせた男らしさ」をテーマにしている部分もそっくり(原題『ENEMY』の意味よ)。ジットリと陰鬱で面白かった。
既視感。観ているうちに「異形なるものへの純愛」を描いた『美女と野獣』『シザーハンズ』『スプラッシュ』などの過去の名作を思い出したけど、一番モロなのは『E.T.』だよね。美しい美術や映像、境界や形の無い>>続きを読む
シェルビーとマイルズが闘った相手は、フェラーリじゃなくてフォードだった…ということ。
ミュージカル・サイコホラーという摩訶不思議なジャンルと美しい映像の裏に込められた、ホモソーシャルとミソジニーに対する痛烈な批判、窓口を広げておきながら鑑賞後に奈落の底に突き落とし、安易に消費されるよう>>続きを読む
劇場で観て以来、27年後の再観。ストーリーをほとんど忘れてたけど、ビリー・ワイルダーやナンシー・マイヤーズなどの監督作品を彷彿させる王道のハートフル・ラブコメ(そして見事なまでのネコ映画!)。オトコは>>続きを読む
米国文学史に名を刻む名匠であり、偉大な先輩であるフィッツジェラルド直系のパリピであり、さしずめ小説家版フレディ・マーキュリーであり、村上春樹ファンなら避けて通ることのできない巨匠、トルーマン・カポーテ>>続きを読む
素性は男性版ニキータ、行動特性はロイ・ミラー、他にもいろんなスパイの特徴を少しずつ拝借して混ぜ合わせて仕上げにマクガイバーをふりかけた、人の着てる服のサイズが気になるシエラ・シックスが暴れる冒険活劇。>>続きを読む
映画ファンや映画制作者の中で「アレにだけは手を出すな」と言われ続けている伝説の(呪いの)物語。天才:デヴィッド・リンチのキャリアさえ潰しかけた曰く付きの作品で、頓挫した企画も含めると通算5人目といわれ>>続きを読む