レインウォッチャー

ベター・コール・ソウル シーズン1のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

4.0
chatGPTに「『ブレイキング・バッド』よりおもしろいドラマを教えて」と入力すると端末が爆発することでおなじみ(嘘)の『B・B』。
そのスピンオフで、主人公含むトンデモアウトローたちのわがままに振り回されっぱなしだった劇中随一の癒しキャラ、悪徳弁護士ソウル・グッドマンのドラマ。

そしてなるほど、これはソウル・グッドマンがまだジミー・マッギルだった頃の物語なのね。
この頃の彼は、まだ真っ当な世界で弁護士として大成しようともがく男。とはいえその口八丁は既に完成の域で、たとえば『ジョジョ』の歴代主人公ならジョセフが好き、という人なら大好きなキャラクターになると思う。

しかし、今シーズンでは彼の試みはことごとく挫折する。大きなチャンスが舞い込んできても、周囲の圧力が、そして何より自身の過去が、行手を阻む。
この姿は、「ここではないどこか」をうすーく思い描きながらもなんとなく人生を過ごすすべての俺たちに刺さることだろう。また、纏わりつく過去=自分の本質なのか?それは変えられないのか?というテーマは、『B・B』でもタッチされていたポイント。

ウォルターがハイゼンベルクへと「落ち」て行ったのに対し、成り「上がって」行こうとするようでもあるジミー。
覚醒の兆しを仄めかしたところで今シーズンは幕となるが、さていつ「ソウルに電話しよう!」が飛び出すか?楽しみに追いかけたい。