ボロロボ

エクスパンス −巨獣めざめる− シーズン1のボロロボのレビュー・感想・評価

3.8
太陽系内で宇宙移民が進んだ世界を舞台にしたハードSFドラマ。
全10話。吹替版を鑑賞。各話40分程度の尺なので、ダルくなくてちょうどよい。

他レビューのとおり、3話までは序章のようなもので正直ワクワク感が薄め。4話から一気にお話が動き出して緊張感が高まり、目が離せなくなる。

国連(地球+月)と火星(独立した共和国)とは冷戦状態。両国家に支配される小惑星帯の住民ベルターは、独立を実現すべく非公式の軍事組織OPAに期待を寄せる。各小惑星では治安維持のために民間企業へ警察業務を委託している。
ざっくりとそんな緊張感ある世界で、陰謀により一触即発の事態が発生してしまうのだが、陰謀に巻き込まれながらも事の真相を探り、最悪の状況を回避すべく奮闘する人々にスポットを当てた群像劇が繰り広げられる。

現在の地球における対立構造を宇宙へ拡大展開したような世界観であり、それを宇宙開発における近未来技術でラッピングしたような作品。多少派手なドンパチもあるが、荒唐無稽ではなくしっかりと考証がなされていて説得力がある。CGもがんばっていてなかなかのクオリティ。

主な視点人物は下記3名。

●小惑星ケレスの刑事:ミラーの視点では「ブレードランナー」を彷彿とさせるハードボイルド感たっぷりの刑事ものが展開される。

●宇宙船の航海士:ジェームズの視点では真っ当に生きようとする男の冒険譚。事件により世間から【死んだヒーロー】として扱われる。

●国連事務次官補佐:クリスジェンの視点では、頭の回転の速い見事な洞察と政治的駆け引きが繰り広げられる。

シーズン1では火星側の視点がほとんどないのが残念。シーズン2以降に期待したい。

まるで「ゲーム・オブ・スローンズ」のSF版、と言っても差し支えないと思う。失礼ながら役者陣はAAA級ではないけれど演技はすばらしく、お話は重厚で奥行きがある。
久方ぶりにどっぷり浸れるSFドラマで、個人的にはとても楽しいし、うれしい。

小惑星の舞台装置は、「ブレードランナー」や「トータル・リコール」を彷彿とさせる。狭くて汚くてカオス。

吹替用字幕が部分的に雑なのが残念。
タイミングがズレていたり、字幕で補完すべきところで字幕が表示されなかったり。
※字幕版は未見
吹替のクオリティには不満なし。ただ、予算の都合なのか、声優陣が複数掛け持ちで吹き替えしている。

シーズン1ではまだまだ伏線は回収されていないので、シーズン2も楽しみ。