レインウォッチャー

ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン3のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

4.5
ショッピングモール…それは約束の地。

街の風景を塗り替える物欲と資本主義の聖地であり、もたらされるその変化が、今シーズンで彼らが直面する「終わりゆく子供時代」と同期されている。
陰謀の裏にいるのがソ連というわかりやす過ぎる存在、そしてその手引きのもと生まれたモンスターがまさにモールを戦場にして荒らし回る…という様はさもありなん。

モンスター / パニックホラー度がマシマシとなり、終盤にかけての盛り上がりは間違いなく過去一。80s映画へのオマージュ描写もどんどん大胆に。

しかし、何よりも最後に大切にされるのは「feeling (感情)」だ。
少年少女も大人たちも、大波のように制御できないボーイズ&ガールズの力学、人間関係の変容を戸惑ったり楽しんだりして駆け引きや折り合いを学んでいく。こういうところをちゃんと押さえてくれるからこそ、ずっと観ていられるのだと思う。
キャラクターが増えても誰もが蔑ろにされず、最後の最後まで役割を持っているところも素敵。そんな伏線拾うの!?みたいな仕掛けもあるし。

物語としては、このシーズンで大きく一区切りがついた印象。シーズン1の始まりの場所だったあの家を後にするラストが象徴的で、夏の終わりに似合う寂しさをもって幕を閉じる。
ここまでぶち上げて、果たしてシーズン4はどう転ぶのかしら…?