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ウルトラマンティガのとがぴのレビュー・感想・評価

ウルトラマンティガ(1996年製作のドラマ)
4.4
一貫して、「光は人」というテーマを描き続けた、TDGと称されるシリーズでも屈指の人気を誇る名作。

この時代からウルトラマンは万能の神ではなく、生命を持った1人の存在である事を描いてたテーマ性は後のシン・ウルトラマンにも通ずる作品のマインドのように思う。

また、最終バトル直前の初代マン客演回もメタ要素を取り込んだ遊び心ある名エピソードに仕上がっており、これからも繰り返し観たい回の1つ。

これだけ圧倒的なヒーローでありながら、群像劇の側面が強くあり、それぞれの隊員の掘り下げが念入りに描かれてるのがとても印象的だった。

様々なエピソードの節々から人の心や光という言葉で表現される、人間の善性を信じたいという精神性が放送から何十年も経った現在でも色褪せる事のない強いメッセージ性を孕んでるのが素晴らしい。

イーヴィルティガ回(43・44話)が象徴するようにマサキケンゴは神になろうとした一方で、ダイゴはあくまで人間として、というのが第一に来る。描かれてるものは最初から一貫していた。

EDが雄弁に語っていた「勇気」を授けられる演出を代表するが如く、最終回の光となってティガの力の一部になる子供達はまさに我々視聴者のメタファーそのもの。

リアルタイムで例え観ていなかったとしても、この作品を観て心に来るものがあった人は皆、光になれる。そう語るような素敵な幕引きでした。
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