SANUKIAQUA

アンという名の少女 シーズン2のSANUKIAQUAのレビュー・感想・評価

4.8
制作サイドがやりたかったことが
いよいよ明らかになってきました。
シーズン1はまさに無理なく
このシリーズに導くための導入部分で
赤毛のアンの世界観を大切にして
世界に導くことを目的にしていた
のだと思います。
シーズン1でも現代的解釈の挿入が
話が進むにつれ独自の方向へと
進みだしていたことは感じていました。
平行して走っていた列車が少しずつ
離れていくような感じです。

シーズン2はまさに現在の私たちが抱える
人種問題やLGBTQ、イジメや教育、老い、
偏見、破壊衝動、詐欺事件など
様々な問題がもはや古典ともいえる
赤毛のアンの世界を借りて
視聴者に問われることになります。
ここで元の赤毛のアンに固執していては
この作品についてくることは
できなくなるでしょう。
残念ですがそれは非常にもったいないこと
だと思います。
元々モンゴメリが書いた時、
赤毛のアンの原作は当時の慣習や価値観に
疑問という楔を打ち込んだはずです。
なのでそこに現代的な要素を持ち込むことは
決して無理なことでもないと思うのです。

原作から登場人物は増え、そのことで
元々出ていた人物たちにも色々と変化が加わり
さらに深みがでていると思います。
絵が好きなコールとギルバートの友人の
セバスチャンをめぐる話が
特に興味深い展開になっています。
また緑の髪事件が今回キチンと活かされて
嬉しく思います。
色々な髪型の可愛いアンが見られるのも
嬉しいところです。

アンに多大な影響を与えるステイシー先生が
よりぶっ飛んだ感じで登場し魅力的です。

暗い雰囲気で始まったシーズン2が
爽やかに終わりを告げてシーズン3が
楽しみになりました。

ちなみに吹き替えがイメージに合うので
吹き替えで見ています。
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