サムカワ

鳥人戦隊ジェットマンのサムカワのレビュー・感想・評価

鳥人戦隊ジェットマン(1991年製作のドラマ)
5.0
目下どハマり中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の影響で、井上敏樹大先生脚本の本作『鳥人戦隊ジェットマン』を。

これは名作、大傑作。

同じく大先生脚本の『仮面ライダーアギト』(放映当時僕は4歳)も先日見返して、その面白さや偉大さを再認識したわけですが、『ジェットマン』は生まれるよりも前の作品だし、最終回の衝撃的な展開はバラエティ番組などで何度も擦られネタ化したものとして認識していたほど。

しかしこの全51話を通して観てから迎える最終回。涙が止まらなかった。今思い出してもうるっとしてしまう。

敵も味方も、みんなに生きる目的があって、不器用で、情けなくて、カッコよくて可愛くて。

どんな人たちもこの世界にいるし、それを愛おしく思う、思いたいじゃん。という本当に優しくて豊かな作品でした。

これを子供たちが観て育ったのかとか思うだけでも泣けてしまう。

特撮技術やアクションも最高で、ビルの隙間を飛ぶスターウォーズ的なものもあれば、そのビルの鏡面に機体が反射してたりってケレン味もたまらない。

崖から炎上する車とレッドホークが同時に飛び降りたり、ものすごい量の弾着や爆発の中で戦ったりも最高だった。

竜のまっすぐすぎて迷惑な性格。だけど信頼できる強さと優しさがある感じ。雷太のダメ可愛さと、いざってときに頑張るところ。アコちゃんのカラッとした性格の気持ちよさやキュートさ。香さんの芯の強さと負けん気。そしてなにより凱の不器用で寂しくて切ない人生と、そこに生まれた仲間との絆と、「俺たちが守ってきた青空」と。
みんな大好きですよ。
小田切長官の完璧さも最高だったし、
バイラム側も、ラディゲの歪んだ愛情表現や、グレイの切なくもカッコいい愛。トランザの最後には心底ゾッとしたり。
マリア、そしてリエの人生も色々考え思い馳せてしまいますね。
どうか、いつか、どこかで幸せになってほしい。





以下
Filmarksに各話のコメントを書き込めるやつがなかったので、備忘録として書いていた全話のメモをそのまま載せます。クッソ長いです。完全に自分用です。

◼︎第1話
本気のSF、本気の特撮!すごい!
僕も逆上がりもできないほど運動苦手なので、子供の頃にジェットマン見てたら勇気貰えたかも。

◼︎第2話
アコちゃん、凱、参戦!
アコちゃんのドライ感と凱の憎めなさに早くも虜に!

◼︎第3話
凱が心を開くまで!
アツい!戦隊が5人揃うということがこんなにもアツいなんて!!

◼︎第4話
香さんのメイン回。
そりゃいきなり呼ばれて集められて「今日から戦士だ!」と言われても、生活があるしなぁ…となるのは当然。
でもそこから戦士として戦う決意をする瞬間がグッとくる。香さんが声を荒げるのが良い!


◼︎第5話
香さんの心に戦士としての炎が燃える回。
凱の素直に慣れない優しいさや、ひたすら真っ直ぐすぎる竜。
そしてたくましい香さん。
『ドンブラザーズ』で、はるかが車椅子になった回を思い出した。

◼︎第6話
ついに合体ロボ登場!
でもその「合体」にハードルを設けて、チームの結束とイコールにするドラマがアツい!竜と凱の関係性がいいなぁ。
でも雷太とアコちゃんの掘り下げも見たい!

◼︎第7話
竜の結婚!?
ジェットマンは今青春真っ只中なのだ!
このときの竜と僕が同い年でビックリ。
すごい貫禄。

◼︎第8話
ダイヤによって人々が欲望を剥き出しに。
アコちゃんと香さんがメインの回。
「時給700円でてめぇらに愛想笑いの切り売りができっか!」ってセリフが好き。
まっすぐなアコちゃんも素敵だし、不良口調になる香さんも楽しい。

◼︎第9話
雷太と幼馴染のキュートな恋心。
ラストは想像以上にグッときた。本当にピュアな物語だなぁ。

雷太みたいに子供のまま大人になっちゃって、若干歪んでる感じがリアルで少し危ないんだけど、そこが可愛さでもあって憎めない。

◼︎第10話
「カップめん」という雑なサブタイトルと、「陽気なアコ〜ちゃん♪」と耳に残るニセCMの完成度の高さ。
そしてなによりアコちゃんのカラッとした性格が見ていて気持ちが良い。

◼︎第11話
みんなの性格が変わっちゃう回。
それぞれの中にある小さな性格が肥大化する設定だから、熱血漢な竜にも怠け者な一面があったり、キザで一匹狼な凱には寂しがり屋な良い子な面があったり、
人間の豊かさを描いていてホッコリする。

にしても凱に関してはどっちの性格でもジェットマンできるんだから良いな。

ヘリを出したりして迫力のあるアクションが多かった。


◼︎第12話
バスの中のワンシチュエーションサスペンス。井上大先生らしい回といった感じ?
自殺志願者がまた生きることを選ぶお話でもあり、雷太のダメ可愛さも満載。

◼︎第13話
恋愛色が特に濃いエピソード。
雷太もそうか…そりゃそうか。幼馴染の子への想いは本当にプラトニックなものだったのか。

凱の不器用さが良い。

◼︎第14話
愛の必殺バズーカ!
グレイよ…お前良いやつじゃねぇか!
『ドンブラザーズ』での絵画と怪盗の回でスーパー合体が初お披露目だったように、愛の物語で新ガジェットが出るのか!
やはり凱に想い入れてしまうな。

◼︎第15話
待ってましたアコちゃんメイン回!
友情がアコちゃんを強くするクライマックスはグッとくるし、今回はアコちゃんをセンターに名乗りをするのも良い!
終わり方も人知れず戦うヒーローと、それをひっそりサポートする友達って!素敵じゃん!

◼︎第16話
「ひょっとすると彼女、記憶の糸を辿ってるのかもしれないぞ?」と察しの良い竜!
とか思ってたら、これまたホロリとさせられる素敵なエピソードだった。
『ワンダーウーマン1984』を思い出した。

◼︎第17話
女帝ジューザの攻撃はエイリアン味があって怖い。体からクリスタルが出てくるって…エグいぞ。
凱は本気で香さんが好きなんだなぁ。切ないな。
一方ラディゲは…これはますます楽しみにな展開に。次回予告のサブタイトルには驚いた。

◼︎第18話
凱の物語が中心かと思ったらラディゲが主人公だった。
ラディゲよ、いつしかまた…。


◼︎第19話
香さん名乗り回。
香さんがたまに激昂する感じは爺やから引き継いだものか!
子供の頃の教えが、ちゃんと子供に向けたものであると同時に占いに翻弄される大人の香さんの気づきにもなるってバランスがうまいなーと感動した。
そして香さんが吹き替えなしで受け身とったりしててすごい。


◼︎第20話
愛のために戦う凱、カッコ良すぎる。
歩きながらのチェンジシーン最高。
「全国ネットで俺に恥かかせやがって!」

◼︎第21話
現状 1番好きな回。
捨てたクマのぬいぐるみがゴミジゲンとして復活。
物を大切にしない人間への怒りという、子供番組らしい教訓も良いし、何よりゴミジゲンのプーたんが切ない。中盤以降ずっと目に涙を溜めて見てました。

◼︎第22話
スーパー戦隊であることを忘れるほどに濃密な恋愛模様。しかしこれがいやらしくなく、ロマンチックでアツいのが良い。
竜が厄介な感じもするけど気持ちもわかる。凱がとにかく切ない。
「あなたを好きになればよかった」
「なるさ、きっと」
なんて素敵なやりとりなんだ!
そんなことしてたら敵も敵ですごいことになってきた!


◼︎第23話
かなり山場!って感じの話になってきた。
ジェットイカロスがあそこまでボロボロにされるショッキングさと、冒頭のジェットガルーダの覚醒シーンの特撮のエゲツないカッコよさ。見どころ満載だった。
「あなたは正しい人、でも私たちは機械じゃないの!」という香さんの言葉にもグッとくる。
ただスカートめくりしたアイツ!セミマルより先にぶっ飛ばすべき!


◼︎第24話
グレートイカロス 超カッコいい!
…が、やはり切ないお話。
こいつ いけすかないなぁと思っても、最終的にはしっかり思い入れてしまう、井上脚本のキャラクターたちはみんな人間臭くて好き。

◼︎第25話
凱が大活躍!仲間を見捨てられないって感じがたまらない。グレイの恋心もだんだんと…!

◼︎第26話
雷太大活躍!そうか、農家やってるから原始時代に行ったとき重宝される術を1番持ってるのか。
現代に戻るのも、勝手に戻るんじゃなくて、自分の意思で戻るかどうか選べる状況ってのがアツい。

◼︎第27話
「アコが死んでる!?」から始まるスピリチュアルで悪夢的な回。たまにこういうのが入るのすごく好きなんですよね。
地獄描写がちゃんと怪奇映画っぽくて良かった。

◼︎第28話
元祖次元獣ドライヤージゲン、可愛くて仕方がない。
ポチョムキン的乳母車や可愛いすぎる子犬と良いシーンばっかりだし、この手の話は改心しかけたドライヤージゲンが殺されてしまうパターンかと思いきや…というあたり、優しい。
最後のナレーションも優しい。その優しさに泣いてしまった。


◼︎第29話
別の裏次元からやってきた夫婦。
竜は自分の苦しみや後悔を繰り返させまいと奮闘。リエとの思い出が暖かいからこそ辛い。


◼︎第30話
魔人という新勢力!
一方その頃、凱と香の関係も大きく変化!マジで今後どうなるんだ!!

◼︎第31話
凱と香が…そうか、そうなのか。
と思っていたら竜の方もリエが…!
人間ドラマがますます濃厚になる中、3号ロボのテトラボーイが登場!
フットワーク踏んでるテトラボーイかわいいな。

◼︎第32話
泣いちゃったよ…。
5人揃った戦士というのをここまで物語の主軸に置いてるから、5人が揃って横並びになるだけで泣けてしまう。

本編中3回しかないと言われてる名乗りの2回目。

凱は本当に良いやつだなぁ。不器用だけど根が良いやつだ。

ロボット戦も良かった。ハイパーハーケンがスターウォーズのスターデストロイヤーみたいな撮り方だなぁと思っていたら、デススターのトレンチみたいな岩の隙間を飛ぶ主観ショットがあって最高だった。

◼︎第33話
ビークスマッシャー初登場回。
追加武器、カッコいい。小田切長官もカッコいい。ゴキジェットやゴキブリホイホイと合体したゴギブリの怪人ってのも斬新で良いなぁ。

◼︎第34話
ターミネーターみたいな見た目だなぁと思ったら本当にターミネーターだった。
凱は竜のこと大好きなんだね。
テトラボーイがうしろでチョコチョコ動いてるのがめちゃくちゃ可愛い。

◼︎第35話
井上敏樹脚本で一時的に目が見えなくなって相棒的存在がフォローしてくれるってのは定番展開なんですね。
にしても最後は泣いてしまった。病気と戦う子供をジェットマンが励まし応援する。純粋なヒーローのあるべき姿に涙が。

◼︎第36話
ジェットマンの面々が自然豊かな場所で休日を過ごす。もう最後までキャッキャしてるみんなを見ていたい。
そう思った矢先にけっこうなホラー展開。
夜な夜な徘徊するアリ人間はさながらゾンビ。今回のアリバズーカのビジュアルも怖いしカッコいい。
そういえばこれまでバイラムの中でもトランには思い入れの生まれるエピソードがなかったけど、今回でググっと深掘り。

◼︎第37話
これ倒せるのか…!?と心配になるトランザの強さ。そしてヘリ飛ばしたり火薬多かったり迫力がすごい。長野県の観光地回。
ギョライピラニアってめっちゃ強そうでいいな。

◼︎第38話
竜の親友が登場。竜の完ぺきさが他者へプレッシャーや敗北感を与えてしまうという、正義の弊害を描いてるあたりさすが。ドッグタグを過去への執着として扱うのも素敵。

◼︎第39話
凱とグレイの因縁!この2人最高だなぁ。
カジノでの勝ち方は予想できなかったので普通に驚いた。

◼︎第40話
あと10話で終わりか〜。あっという間だったなぁ。そしてネオジェットマン。リアルめでカッコいいけど、オリジナルジェットマンの方がやっぱカッコいいなと思えるバランスが良い。…ってか大ピンチすぎてこれどうなるんだ!

◼︎第41話
ネオジェットマンのリーダー、ずっと見たことある顔だなと思ってたら仮面ライダーJか!
小田切長官マジで最高だし、ネオジェットマンの長官?は悪しき旧日本軍イズム満載で最低。こういう偉そうな男に立場を奪われそうになる女性長官の関係性はアギトの小沢さんのときもあったな。
そして再びヒーローとして立ち上がるジェットマンに涙。

◼︎第42話
シリアスとロマンチックが大渋滞…。
G2が可愛すぎ可哀想すぎる…。グレイの哀愁もたまらない。かなしきロボットたちよ…どうか幸せになってほしい。
終わり方が衝撃的だった。

◼︎第43話
『ミクロの決死圏』な物語。小田切長官の強さがわかる回だった。
「完ぺきな人生を送ってきた私に…!」と言い切れる気持ちよさ、カッコよさ。

◼︎第44話
珍しくほぼ戦いの回。
ベロニカ強すぎるな…。凱と香もギクシャクしてるし…。どうなる。

◼︎第45話
あの一匹狼だった凱が…。
「この戦いが終わったら一杯奢らせてくれ」の瞬間ドッと涙が流れた。
前回と今回、悲劇的バトル中 あんなに劇判が流れないのすごい。

◼︎第46話
前回までのシリアスなクライマックス的な話から、途端にトマト大王!というキッチュなお話。それでもとっても愛おしくて泣けちゃう。アコちゃん最高だよ!

◼︎第47話
トランザの最後が怖すぎる。子供向け番組にしてはハードすぎて、それまでの刹那なラディゲと竜の共闘の興奮とかも吹っ飛んでしまった。

◼︎第48話
マリアへの愛が歪んでるラディゲ。マリアをそっと愛し続けるグレイ。そして竜のリエへの無限の愛。辛い方向へ行く気がしてならない。

◼︎第49話
ここまでで1番ボロボロと泣いてしまった。竜とリエの幸せをこれほどまでに願うことになるとは。そしてグレイよ…グレイ……。中盤に凱とアコちゃんと雷太が変身しただけで、基本人間体がメインで終始するのもすごい回。

◼︎第50話
5人が揃って名乗る。それにこんなにも涙が溢れてくるとは…。
竜の成長もグッとくるし、なにより凱とグレイの死闘にも胸が熱くなる。
時が違えば仲間になれてたのかもな…とか思っちゃうな。

◼︎第51話
やばいなこれは…泣きすぎて酸欠になった。。
サムカワ

サムカワ