らっとちゃん

ザ・ボーイズ シーズン2のらっとちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ボーイズ シーズン2(2020年製作のドラマ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

最初いかにもシーズン2らしい、シーズン1からの収束と緩和、そして次への繋ぎのゆるめのシーズンかと思ったら、
まとまりそうに見えてもボーイズもセブンも各々が叶えたいものの為に動いてまとまらないし、
自己と向き合ってもこれまでの捩れた人生や心は簡単には戻らないし、
もう彼ら全員がどの道に進んだところで安息など訪れない。

歪みが暴かれて世界の形がこれまでとは変わってくなかで、怪物の体に怪物の魂を宿したホームランダーが皆が持ってる愛や居場所や幸せの形を求めては自らの手で壊していく姿が哀れでならない。でもやっぱり人間では誰も彼を受け止められない。

愛と人生は両立が難しい。自分の人生の為に愛が叶えられないし、愛があるから人生が上手くいかなくなる。


不穏かつ急展開の4話がめちゃくちゃ最高だった!あからさまな甘さと不穏さの、ジェットコースターの上りの感じ、これは確実に転落する流れだってわかってても「ヒュー!最高!」ってなった。
s1がずっとおもしろい上に最高のぶち上げエンドで、正直ハードル激上がりだし食傷気味だし、かえってテンション下がったままs2見始めたんですけど……………やーばい!s1の収束の抜きのs2かと思ったらスピードは下げてたけど精神に効く毒がとんでもなく増量されてる。
捩れた人生がそんな簡単に綺麗な形になるわけないし、関わった全員どの道を選んだところでもう自分か他人かの血に塗れた道しかない。誰かのためにどんなに人生をかけたところで、自分の望みが相手の望みとは限らない。苦過ぎて最高。

結末はまあそんなに予想を超えてくる感じはないし、ストームフロントの「世界共通認識の明確な悪」という描き方は、勧善懲悪モノというか真っ当にヒーローもの?っぽくて、なーんだって感じだったんだけど、ちゃんとストームフロントが「みんなレイシストが嫌いなんじゃない。ナチって言葉が嫌いなだけ」みたいなこと言ってたね。
最後の女性陣でストームフロントをボコボコにするシーンのやりすぎ感含め、清濁の境目がない感じがして、ボーイズっぽいっていうか、ギリギリ怒られない世の中への目線が見えた。

世界共通認識の明確な悪役登場のようでちゃんと皮肉たっぷり面白いシーズン2でした。