時は戦国時代。イエズス会のアジア布教の巡察使ヴァリニャーノが⻑崎にやってくる。ザビエルがキリスト教を伝来して以来、九州を中⼼に信者を増やしてきたイエズス会。ヴァリニャーノは、布教を⼀気に進めるためにある秘策を思いつく。それは、⽇本各地に神学校セミナリオを作り、そこで学んだ優秀な少年たちをヴァチカンに連れて⾏きローマ法王に謁⾒させる。聖書に記された物語、イエス誕⽣の時に東⽅より贈り物を持って駆けつけた三⼈の賢者=MAGIの伝説を現実とする事で、ヴァチカンから多額の資⾦援助を引き出し、⽇本をキリスト教国にするというものだった。そこで選ばれた4⼈の少年たち。教会に拾われ下⼈として働いていた伊東マンショ、気弱だが⼼優しいジュリアン、セミナリオ⼀の秀才マルティノ、領主の次男坊、武⼠の⼦ミゲル。4⼈の少年たちは、織⽥信⻑に謁⾒し、「旅に出よ。 海の向こう、⾒知らぬ国に⾏って参れ」という命を受け、⻑崎を旅⽴つ。旅には反ヴァリニャーノ派のメスキータ神⽗、⽇本⼈とポルトガル⼈の混⾎の下働きドラードが加わり、5⼈はヨーロッパへと向かう。⾒知らぬ外国での幾度もの苦難を乗り越え、果たして彼らは無事にローマ法王に謁⾒することができるのか︖︕彼らが求める疑問「イエスの愛とは何か。⾃分を信じて真っ直ぐに⽣きるとはどういうことか。」に答えはあるのか︖︕更に、8年の⽉⽇を費やした旅の果てに彼らを待ち受けていたものは、あまりにも過酷な運命だった――。