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腐女子、うっかりゲイに告る。のmacoのレビュー・感想・評価

5.0
ラブコメかと思ったらとんでもない。痛くて苦しくてどうしようもなく切ないけど、それでもなんとか希望をつかんで生きようとする若者たちの物語だった。彼らと同年代の自分も、他の人に自分を開示するのが苦手で隠してばっかりなので、彼らほど追い詰められてはないにしろ同じ類の生きづらさは抱えていた。何度も泣いた。
特に涙腺が決壊したのが、純の「大好きな女の子が、泣いている」という独白。これほど「大好き」という言葉が胸に迫ってきたことはない。
大好きで大好きで、でも「好き」にはなれない。こういうところを含め、複雑で難しい役だったと思うのだけれど、金子大地さんは本当にうまく演じてくれたと思う。三浦さん役の藤野さんも好演。今後が期待される若手俳優たちだ。
QUEENの楽曲も効果的に使われ、単なるBGMではなく心情を表現するものとなってドラマを構成していた。
LGBTQのひとの、絵空事ではないどうしようもない生きづらさを性的な面も避けず真っ向から描いた上で、最後は希望を持てる終わり方になっていてよかった。ラストで大学生になった純は「僕は」のあと何を言ったのだろう。
NHKの本気を感じた。
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