あとどれくらいの時間が残されているか分からないけど、できる限りあたたかくて美しい記憶を作っていかなきゃなと思った。最期に何度でも振り返りたくなるような記憶を。別にたくさんはいらない。自分の体いっぱいに幸せで満たされる記憶が一つあればじゅうぶん。
主人公の2人が抱き合うシーンを見て若さの持つ美しさに胸が苦しくなった。若い。ただそれだけで泣きそうなほど美しい。満開の桜を見たときのような刹那の美しさ。たとえ"記憶"になったとしても色褪せず一層輝きを放つ美しさ。それぞれの胸のなかで永遠に光り続ける美しい刹那の記憶。
無駄にしちゃいけない。逃しちゃいけない。どの瞬間も抱きしめておきたい。忘れてしまわないように。いつ忘れてしまってもいいように。