昼夜逆転

まぶしくて ―私たちの輝く時間―の昼夜逆転のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんといってもキムヘジャ先生の演技
彼女の中には確かに25歳のかわいらしさがあったしハンジミンちゃんからバトンタッチした時もすんなり受け入れられた

ラストシーン、花弁が落ちたあとにへジャが目を瞑るとジュナがいる描写からしてへジャは天寿を全うしたはず

あのときもう少し早く息子を迎えに行っていれば、あのときジュナを拷問から救えていればっていう老いたへジャの中に今も残る大きな後悔が、アルツハイマーのせん妄として脳内で違う世界を作り上げたんだろうな

認知症が進むと嫁を母親だと思いこんだり精神年齢が若い時に戻るって言うけど、私たちは当たり前だけど認知症の人側の感覚なんて分からないわけで、でもこのドラマでは10話を通して彼女のせん妄の世界が細かく描写されていたから感情移入できたし、10話の最後で今までの話は全て現実じゃないって知った時にへジャと同じ立場でショックを受けることができたと思う

ジュナとへジャの警察での面会シーンは本当に心が痛かった。すぐに戻るからと明らかに二度と家には戻れない状況だと自分自身分かっていながらもへジャをなだめるジュナ ナムジュヒョクの演技が1番光ってたのは個人的にここだと思う
自由な発言が許されなかった時代、へジャはそんな時代そのものに自分の愛する人を奪われたとも言える可哀想な女性だけど彼女の人生にまぶしくない日はなかったんだよね泣く

過去や未来なんかにとらわれず今を大切に生きること、そして自分が年老いた時に思い出す人生で1番幸せだった時はいつなのかすごく考えさせられた
なんでこんなにも上手に伏線張りつつ高齢化社会をドラマの題材に昇華できるのか 百想芸術大賞も納得の傑作
昼夜逆転

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