Ayakashd

ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン2のAyakashdのレビュー・感想・評価

5.0
ちょっともうなんですか狂ってるんですか!?!?狂ってますよね?!なにこの偉大ドラマ…なんなんですか?

まじで凄いよ…

出生数の操作は歴史的に政治の非常に重要な道具だったわけで、この産む機械言説はいつどの時代にも面影を見ることができるけど、その産む機械言説をここまで逆手に取り、ディストピア、エンターテイメントとして具現化し、さらにさらに、その上で、子を産むことの偉大さ、喜び、畏怖をここまで感じさせるとは。これ繰り返すけどアトウッドの着想は、SFじゃないから。歴史上どこかで現実に起きたことの繋ぎ合わせだと思って見た方が良い。

孕むこと産むことがトラウマになるドラマかと思いきや、同時に、そう同時に、その素晴らしさをembraceしている。凄い。すごすぎる。

女であることにつきまとう呪詛と賛歌を、我々の宿命を、我々の悦びを、同時に高らかに歌い上げる。

すごすぎるってばよ…

この時代に女として生まれて女としてこのドラマを見られたことに感謝しかない。娘が生まれたら絶対に見せよう。すごく嫌がられる気がする。

いやー役者が全員凄すぎ…演技のレベル超えてるよ…まじで、世界史に残る出産シーンだった…

女と血。というのは、本当に業が深いテーマですね。こんなふうに仕上げるなんて天才でしかなくてもう、凄い。

あとやっぱり、アトウッド原作の続編、誓願を読んだ身としてはあの姉妹の登場が胸熱すぎて…まじでアトウッド天才だよ。

原作は原作で文学的で素晴らしかったけど、あの原作から膨らませてセリーナジョイをここまで複雑なキャラクターに育て上げるなんて脱帽でしかない。ここまで憎らしく、禍々しく、ここまで哀れで、なのにその強さと意思に敬意を抱き、共感さえしてしまう。women’s placeっていう彼女の著作の題名もまあ秀逸だよなぁ…

最後にはまさかの連帯だしもう…フェミニズムが通ってきた女同士の敵対をこのように…


こんな偉大なフェミニズム小説、そしてドラマをありがとう。畏怖しかない。
Ayakashd

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