Clary

チェルノブイリのClaryのネタバレレビュー・内容・結末

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

チェルノブイリの原発事故を題材としたドラマ。
常に緊迫感と絶望感漂うドキュメンタリーのよう。

欠陥に気づいていながら公表・是正できない設計ミス、
安全性よりメンツを重視する指揮官のもと行われるオペレーションというヒューマンエラーが重なり、起こるべくして起きてしまった事故という印象。

冷戦下のソ連というのが、より状況を悪化させてる。
特に序盤では、起きていることは悲惨なのに、
意思決定する立場の人たちが正しく現状認識できていないのが辛い。
それが故、あまりに無防備な姿で現場に向かう消防士、
娯楽のように橋から眺める住民たちなど、
止められた、軽減できたかもしれない人体影響。
「分かっている」人の絶望感は本当に大きかっただろうな。

また、やっと非常事態を共有できても、
収束に向けてとれる手段が人海戦術多くて、それで受けているだろう身体的影響を考えると居た堪れない。

日本がこういう題材をドラマにすると、
異常にセンセーショナルだったり、権力ある者をいかに悪人かを仕立てあげだったりしがちだけど、
このドラマは冒頭のとおり、ドキュメンタリー仕立てのようで、
それが故、恐怖感や絶望感強かった。

蛇足ながら、
ドラマ後に起きているロシアのウクライナ侵攻で、
チェルノブイリが攻撃されたり、原発周りに塹壕掘ったり、
さらにドラマ内に出るキーウ(キエフ)は空襲に遭ったり。
と考えると、なんとも言えぬ気持ちに。

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録画してたドキュメンタリーで知識補完。
胎児への影響があまりにも悲惨だった。
単に生き延びられなかっただけでない。
そのため、中絶を選択した人たちもいて、
担当した医療従事者のインタビューが印象に残る。
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