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今際の国のアリスのBeSiのレビュー・感想・評価

今際の国のアリス(2020年製作のドラマ)
4.8
すいませんまたまたデスゲームジャンルです。イカゲームからの流れで観ようかなと。麻生羽呂さんの原作はタイトルしか知らず読んだことも無く、調べてみたら予想と違ったジャンルの物語が作られていることに興味が湧いたので、実写版シリーズを独占配信してるNETFLIXで観始めました。以下シーズン1レビュー。


漫然と人生を送ってきたアリスが、親友であるチョータとカルベと共に迷い込んだ異次元の東京。そこで次から次へと理不尽なゲームを突きつけられた彼らは、生きるか死ぬかの戦いを強いられる。


和風デスゲームの良いところの根本っていうのは、やはり原作にあると思います。イッキ見した後にwikiで本作について調べてみました。まあ内容が緻密で濃密だこと。それでいてこんな興味を引く面白い物語を構想出来るって本当に凄い。比較してみると、相違点はいくつか存在するものの、実写版はかなり原作に忠実であることが分かるかと思います。「アイ・アム・ア・ヒーロー」の時とはまた違った、原作に基づいて映画やドラマを作るうえでの過酷さがあったんじゃないかな。佐藤監督にお疲れ様と言ってあげたい.......。


言うまでもないとは思いますが、本作はとにかく "理不尽" です。人智を超越した存在が作り出したものである事によってその理不尽さが倍増します。後々出てくるビーチの人間たちも、実際はアリス達と同じく今際の国に誘われた人間です(なのでビーチの人間たちもビザは所持しており、ゲームには参加しなければいけない)。そして彼らは、この理不尽な世界から抜け出すことを目標にしつつ、順応していこうという考えの下、ビーチなるものを作り上げたわけなんですね。しかし結果はどうだろう。楽園と思われていた場所にも亀裂が。カルト派と武闘派の派閥ができ、秩序が崩壊し始めます。そして物語が佳境になるにつれ、ゲームの真の残虐性が露わになります。

♥ 心理型。人の生きたいと思う心を弄び踏み躙るような残忍なゲームが行われ、滞在者から最も恐れられている。

このゲームの残酷さは見ていた僕も顔を覆いました。特にエピソード3の "かくれんぼ" 。狼に見つからないように羊は上手く隠れる。誰かを生き残られるために自分以外全員の犠牲が必要となる。アリスに全てを託したチョータとカルベの最期には号泣してしまいました。容赦ないぞこの世界。


ここは本作のシーズン1を通して
ちょっと残念だったところを少しだけ...
深作欣二監督の傑作である「バトル・ロワイヤル」を初めとする日本のデスゲームジャンルの作品は、何かと俳優さんのキャラクターへの気持ちが入って誇張されがち。いわゆるカリカチュアっていうやつですね。しかし本作を観てみると、それがモロ裏目に出てる人がいました。桜田通さんです。ちょっとねぇ......あまりに臭すぎる。1人だけ謎の劇団員感が凄い。銀髪白パーカー厨二病臭プンプンのチシヤを演じた村上虹郎さんの演技が自然体そのものでビビり散らかしたんですけど.....。激臭ニラギが終盤になって出てくる回数増えたので少し気だるさを感じました。演技で言うなら仲里依紗さんも浮きすぎです。ちとミスキャストだったんじゃないか.......。

演技というわけではありませんがもう1つ。朝比奈彩さんの関西弁が凄い不自然で違和感ハンパない。え、朝比奈彩って兵庫県出身だよなとか思いながら観てたからビックリ。あんなネットリハッキリ喋らんぞ関西人は。朝比奈さんの自然な兵庫弁を聞きたかったんですが、おそらく制作側が演技指導を行ったためでしょう...ガッカリ。まあ個人的にクイナ優勝なんですけど(マジでバックグラウンドカッコよすぎ)。美女の脚長回し蹴りほど胸熱なシーンは無い。最高でした。



いずれにせよイッキ見するほど面白かったのは事実。シーズン2が待ちきれない。

アリス、ウサギ、チシヤ、クイナ、アン......
頑張ってくれえぇぇえぇぇえぇぇ
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