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ワンダヴィジョンのmoridonのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
4.7
2019年の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』から1年半。こんなにもMCUの新作を観られないなんて、ましてやフェーズ4の始まりがドラマシリーズになるなんて、まったく想像していなかったですが終わってみたらあらゆる映像作品とレベルが違いすぎる、最高なドラマでした。

監督はマット・シャックマン。『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン7 EP4「戦利品」のエピソード監督です。この時点で面白くないわけがない。

まずはEP1、マーベルのオープニング映像が4:3のアスペクト比に変わった瞬間、新しいMCUの始まりを感じて胸躍った。演者たちの動きや声色は50年代シットコムのオマージュ。しかしアメリカのシットコムを観て育ってきていない日本人には結構ハードル高いんじゃないか…と思いながら観ていました。

観進めていくうちに、タイトルの違和感に気がつく。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』と同時に発表することで『ワンダヴィジョン』というタイトルを聞いた我々に、これはワンダとヴィジョンの物語なんだと思わせるミスリードだったんだと。『ワンダ&ヴィジョン』じゃなくてあくまで『ワンダヴィジョン』なんですよね。

そして問題のEP4。冗談抜きでどのドラマのどのエピソードよりもヤバかった。EP3までの間に散りばめられた謎と各年代のシットコムへのオマージュ、そしてそれを観ていた我々の視点すらも利用するとんでもない演出。知ってる顔もどんどん出てきてしっかりMCUの24作目だと思い知らされる。

そしてEP5で開くマルチバースへの可能性。

最終話のEP9では最後の最後に40分フルに使ったアクションを持ってくる最高な演出。メンタルヘルスへの言及だけでなく、終わってみたらスカーレット・ウィッチのオリジン、MCUのド真ん中のストーリーだった。あのビジュアルといい、完全にX-MENが失敗した『ダーク・フェニックス』の正解を導き出してる。

MCUがドラマへも全力投球だということ、ドラマシリーズを観てないとMCUに置いてけぼりされてしまうことがわかったので、今後もちゃんと追いかけていきます。
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