抹茶マラカス

ウォッチメンの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2019年製作のドラマ)
4.5
あのザック・スナイダーのウォッチメンのドラマ版…でもなく。コミックの後日談ということらしいがコミックを読まない人間には別アースみたいなもんである。
だが、いやはや凄い。スーパーパワーを一見否定するような導入、ロールシャッハマスクのテロリストたち、身元を明かさないためにマスクをかぶってヒーローのように個性を持つ警官。黒人差別の文脈でKKKも覆面を被っていることを描きながら警察署長殺害事件を追うアンジェラ・エイバー。サブリミナルによる黒人虐殺、ベトナム戦争。現実の歴史を通過してアメリカを描きながら、突如として火星にいたはずの全能の男Dr.マンハッタンが画面に現れる。サプライズであると同時に、彼が全時間を同時に過ごし未来にも過去にも一点として存在することを巧みに表現してみせた8話は出色。
遊離していたオジマンディアスもまた徐々に色濃くなり最終話で完全合流。どうしてオジマンディアスおじさんがこんなにいじめられているのかはよく分からないが、でも彼は白人男性でしょ?とちょっと思わされる終盤の殴られもまた良い。
だが、アンジェラ・エイバーの話だったはずが、彼女が服薬してから話が混迷し出し、ホン・チャウの暗躍で規模感が巨大になっていきちゃんとスーパーヒーローものに着地していく終盤は少しアンジェラが中心からずれていった感じもあって100点満点とはしないかな