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ユーフォリア/EUPHORIA シーズン1のnaoのレビュー・感想・評価

5.0
明らかな誇張はあれど、アメリカの高校生の”本来の”側面を捉えて問題提起した作品。スタイリッシュで一息に惹き込まれる。薬物依存症のルーを中心に、友情、恋愛、家族、犯罪、SNS、トランスジェンダーに悩む高校生の姿を現実的に描き出している。『Gree』や『ハイスクール•ミュージカル』に登場する理想的な高校生ばかりではない。色彩感が独特で、ルーの視点から描かれることが多い。まるで水中に潜った感覚だ。凄く異世界的。過激で本来好みではないようなバイオレンスなシーンもある。しかしだからこそ目を逸らさずに見ようと思えた作品。家族やジュールズなど、ルーが信頼する人と過ごすシーンは暖かくて良かった。高校生は多感な時期と言われる。本当にそうだ。

まるで全てのエピソードが映画のようだ。救いようもないほど悲劇的で大胆。若者の抱える問題を反映している。アメリカの高校生のモラルがここまで落ち込んでいる、または落ち込んでいる描き方ができるのは恐ろしいことだ。自立とは強さではあるが行き過ぎると弱みになる。自己破壊的なルーを演じたゼンデーヤに脱帽。彼女の演技の幅は息を呑むほど。人気の原点がここかと思うと納得の一作。このドラマの全てが完璧だ
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