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チョコレート: 忘れかけてた幸せの味のsoopenのレビュー・感想・評価

4.0
タイトルからして、チョコレート職人のヒロインが美味しいチョコを作る過程が見られるのかな、となんとなく視聴していたら、全然違いました。まずヒロインは韓国料理も欧風料理もなんでも作れるシェフで、過去にデパートの崩落事故に巻き込まれた経験を持つ苦労人。親に捨てられ、他人に救われた命で、人を癒す料理の数々を作り続けるチャヨン。ホスピスでの仕事に辿り着くと、そこに医者としてやってきたのは、事故で脳神経外科医を続けられなくなった、初恋の人だった…

運命の絆で結ばれている2人が、数々の不幸に見舞われ、後遺症やトラウマを抱えながらも、ホスピスで懸命に生きようとする患者達の助けとなって、願いを叶えていくシーンには泣けました。何の病気かは作中では語られないものの、みな明日をもしれない命。せめて胃に負担のかからない、病気でも少しでも食欲が湧くような料理を出そう、と手間暇惜しまず、チャヨンは丁寧に愛情を込めて作る。
サイドストーリーの人間関係もとても奥が深く、特にキムウォネさん扮する院長が、元嫁に対する感情を露わにするシーンから、誤解が解けるまでには泣けて泣けて…

チョコレート。
この作品では、チョコレートは人生の節目の大事な時には必ず側にあった。主人公達を優しい気持ちにさせてくれた、それがきっかけで悲しいことが起きたとしても…
というキーとなるアイテムだったのです。
それがすごく印象深い作品でした。

一気見したい人には、長く単調に感じるかもしれませんが、じっくりゆっくり見る作品というのが中にはあっても良いのではと思います。
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