こぼちゃん

ペーパー・ハウス シーズン1のこぼちゃんのレビュー・感想・評価

ペーパー・ハウス シーズン1(2017年製作のドラマ)
4.3
脚本 アレックス・ピナによる、造幣局に立てこもった強盗団の物語(オリジナル、スペイン発)。

<S1の概要>
8人組の強盗団が、67人の人質を取りマドリードの造幣局に立てこもった。24億ユーロを持って脱出するという完璧な計画を練り、警察対強盗団の攻防戦が始まる。

<S1の主要登場人物>
8人の強盗団は、現場リーダーのベルリン、人質には優しく親切でリーダーシップがあるが、時に残酷な時もあり、ある秘密を持っていた。教授と呼ばれる男とは兄弟。

教授は、義賊のように無血で紙幣を盗む計画を20年かけて作り上げ、メンバーを集め、5ケ月合宿。よく皆が歌っている歌は、パルチザンの歌で、生活に疲れたり問題を抱えている、それぞれの専門家たち集団の、社会へのアピール。ベルリンとは兄弟、やがて恋に落ちていく。外で戦う。

ラケルは、国家警察隊で犯人たちとの交渉役。可愛い娘と母と暮らしているが、DVで別れた夫に娘の親権を奪われそうになっている。次第に、教授とのロマンスが始まるが。

トーキョーは、女性で、過去に強盗事件を引き起こし恋人を失くす。落ち込んだり激高的になる一面もあるが、陽気で自由奔放、行動的。女性のナイロビとは仲良しで時にパリピ気分、12歳年下のリオとは恋人同士。

リオは、強盗団内では最年少のハッカー。トーキョーとは恋人同士。

ナイロビは、女性で偽札製造の専門家でスタイルがいい。楽観主義者で行動的。ベルリンと共に、人質の管理やまとめができる。子供がいたが麻薬で捕まり、里子に出され、いつか会いたいと思っている。

モスクワは、元鉱山労働者で、脱出用のトンネル担当。両親的で機械にも詳しい。やや粗雑なデンバーは息子で、誘ったことを悔やんでいる。

デンバーは、モスクワの息子。やや粗雑だが親父を愛し、王立造幣局の秘書と仲良くなる。彼女は、局長のアルトゥーロと不倫関係だったが妊娠するも、デンバーと恋人になる。

オスロとヘルシンキは、いとこで、セルビアの元兵士。体格がよく、腕っぷしが強い。

面白い点は、教授と警察側との攻防戦。英国大使の娘がおり、なかなか、強行突入に入れない中、どう突破するか。次々と手を打ち、追い詰める度に、するりとかわし、内通者がいるのかなど、不審に思う警察。

教授は、20年間、ありとあらゆることを想定し、策を練り専門家を収集した。そこまで読んでたかとびっくりするシーンが度々あり、目が離せない。5ケ月の合宿でも、皆で講義を受けていて、孫氏の兵法みたいに共有している。

常に裏の裏をかく行動に、警察もお手上げ。しかし、突発的なことは起こるもので、即対応できるものもあれば、包囲網を縮めるものも。

警察も強盗団も一枚岩ではなく、それぞれの思惑があり、分断する時も。

スリリングな展開でも、心惹かれるのは、強盗団も警察も、また人質のメンバーも、親子や家族、恋愛で問題を抱えているので、共感できることが多数ある。

例えば、アイコンとなってる、ダリの仮面選びでも、男は義賊とか、意味がとか討論するけど、女は即決、どうでもいい。でも、洋服選びには最低二日はかかるというトーキョー。

年上との恋に頭が回らない若いリオに、リーダーのベルリンは、俺もそうだったと打ち明ける。でも、皆も危険を冒して仕事をする時は、コントロールが必要と諭す。

<<面白さのまとめ>>
①綿密な計画とリスクを想定した準備が面白い。とても、そこまで思いつかない物ばかりで、脚本家の力を感じる。
②それぞれの人生に共感できることが多く、また、男女の考え方や色んな恋に、引き込まれていく。
③強盗団や警察、人質側のキャストも、それぞれ魅力があり、必ず、感情移入できる入り口となる、男優や女優が見つかる。

最終話は、怒涛の急展開になりましたが、S2が楽しみ。
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