ルサチマ

金魚姫のルサチマのレビュー・感想・評価

金魚姫(2020年製作のドラマ)
4.1
テレビをいいことにあまりに無茶しすぎだと思うが、とはいえ青山真治の新作が今の時期に観れたことが嬉しかった。
長嶌寛幸の音楽と黄永昌による録音という布陣は流石であるし、瀧本美織が登場するときの水のべちゃべちゃした音は絶品。
飯の汚さは『こおろぎ』だし、家追い出された瀧本美織の行き着く太い幹の木は『東京公園』。金魚姫の瀧本美織の衣装は勿論、志尊淳のあからさまにひらひら舞うロングコートもウケる。
死んだはずの唐田えりかが部屋にやってくるシーンの異物感ヤバすぎだが、これが一番の山場って感じがあっていい。瀧本美織が風呂から上がって、カメラが横移動しながら今度は唐田えりかにカメラを向けるトラベリングショットは撮影部の頑張りが伝わるし、これは当然その前のシーンであった窓辺のテーブルに志尊淳と瀧本美織が座って瀧本美織が過去を語るシーンのカメラの横移動と対比されて語られるべきショットだ。
唐田えりかの画面に危うさを醸し出す才能はピカイチ。
ラストの水中映像は青山本人も自覚しているんだろうが、これは明らかにハッタリ。
随分と見やすい方の青山作品だけど、新作映画は恐らくかなりやってくれてるんじゃないかという期待をさせてくれた。