しいたけ

水の中の八月のしいたけのレビュー・感想・評価

水の中の八月(1998年製作のドラマ)
4.7
全編にかかる暖色と寒色のグラデーション、自転車、タイヤの山、海…

意味もなく自転車に乗って走り回っていた少年時代を思い出す。自転車で遠出なんて出来なかった。速いのに、遠くに行けそうで行けないもどかしい乗り物。

VHSが渋谷TSUTAYAにあります。


22/5/14 @国立映画アーカイブ

最高。

キネコされた映像はVTRよりも発色が濃くて独特のカラーグレーディングが更に際立ってる。

何度も繰り返される水と魚のイメージ(プールへの潜水、自転車で町中を回遊、水槽、海、etc…)はまさに主人公の精神状態をこれ以上なく象徴している。舞台が海沿いに位置するという「果て」のイメージも、進路を決めかねている主人公の切迫感を彩っていると思う。

冒頭、コーチが「魚になれ」と説教するのを神妙な顔で聞き入る生徒たちの横で、主人公がする〜っと魚のように泳いでいく場面→友人の「水泳なんて才能なんだから〜」の流れが最高。
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