しいたけ

DEVS/デヴスのしいたけのネタバレレビュー・内容・結末

DEVS/デヴス(2020年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「アレックス・ガーランドの新作が量子コンピュータや決定論を扱う近未来SFらしい」と先輩から聞いてずっとずうっっっと気になってて待ち侘びてた今作。晴れてDisney+で国内配信されて本当によかった。

森というカオスの塊みたいな中に鎮座するコンクリート打ちっぱなしの超モダンなDevsの建物や、幾何学模様を配した真空に浮かぶラボとか、多世界解釈を許さないフォレスト(←この役名も彼の行末を暗示してるよね)の精神を愚直に反映させたような美術設定が美しい。

中盤の展開は90〜00年代のハリウッドアクション大作で散々みてきたような話(政府だか巨大企業の陰謀に個人が立ち向かう的な)で若干萎えた部分もあったけど、終盤はそのカタルシスに依存しない展開になってて安心した。2時間にまとめられるような話をちゃんと長回ししたり直接的な説明を極力排してじっくり進めていくのはとても好感が持てる。

ロシア工作員と会話するシーンの舞台がいかにもロシア映画っぽい霧に包まれたコンクリート丸出しの僻地みたいな所になってて思わずにやけてしまった。後半に挿入される可能世界を一画面に一挙に集めたようなカット、リプチンスキーの「タンゴ」みたいで凄い。
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